PFLが初のCCOを任命 Suzy Berkowitzがグローバル戦略を統括へ

PFLが、グローバル展開を見据えた新たな一手を打った。
PFLは現地時間7月6日、スージー・バーコウィッツ(Suzy Berkowitz)をPFL初のChief Communications Officer(CCO=最高コミュニケーション責任者)に任命したと発表した。
バーコウィッツは今後、PFLのグローバルなコミュニケーション戦略を統括し、CEOのジョン・マーティン(John Martin)に直接報告する立場となる。
PFLがグローバルなスポーツ・エンターテインメントブランドとしての存在感を高めようとしている中で、ブランドの打ち出し方、選手の物語の伝え方、メディアとの関係構築を強化する動きと見ることができる。
PFLが重視する「物語」の発信
バーコウィッツは、これまでメディア、エンターテインメント、テクノロジー、消費者向けブランドなど、幅広い分野で20年以上にわたりコミュニケーション戦略を担ってきた人物だ。
過去にはRefinery29、SundanceTV、Known、Entertainment Weekly、Robinson Lerer & Montgomeryなどで要職を務め、ブランド戦略、メディア対応、経営陣の発信戦略、統合マーケティングなどに関わってきた。
PFLのジョン・マーティンCEOは、PFLについて「単に成長しているだけではなく、次世代のスポーツ組織がどうあるべきかを再定義している」とコメントしている。
PFLは現在、スポーツ、メディア、エンターテインメントが交わる場所でグローバルブランドを構築しようとしている。
その中で、選手や大会の魅力をどのように伝え、ファンとの接点をどう広げるかは重要なテーマになる。
選手をグローバルに見せるための発信戦略
今回の発表で特に印象的なのは、バーコウィッツが「選手の物語」に強く言及している点だ。
彼女は、偉大なアスリートの背後には、レジリエンス、犠牲、決意の物語があると語っている。
そして、その物語は、実際にケージの中に入ることのない人々にも届く力を持っているとした。
この視点は、PFLの今後を考えるうえで大きい。
MMA団体が成長していくためには、試合そのものの質だけでは足りない。
ファンが選手を知り、応援し、次の試合を見たいと思う流れを作る必要がある。
PFLには、リーグ/シーズン制や地域リーグ、世界展開という独自の構造がある。
一方で、UFCと比べれば、一般層にまで届くスター選手の数や、選手個人の物語の浸透という点では、まだ課題も残る。
だからこそ、今回のCCO新設は意味を持つ。
PFLは、選手を単なる出場選手としてではなく、グローバルなスポーツスターとしてどう見せていくかに本格的に取り組もうとしている。
グローバル展開を支える新ポジション
PFLは発表の中で、世界で6億2500万人以上がMMAをフォローしていると説明している。
若く、エンゲージメントの高いファン層を持つ競技として、MMAの成長性を強調した形だ。
PFLは近年、米国だけでなく、中東、アフリカ、ヨーロッパなどでも展開を進めている。
単発イベントを行うだけではなく、地域ごとのタレント発掘や、放送・配信パートナーシップ、選手育成の仕組みを含めて、世界規模のMMAブランドを作ろうとしている。
その段階で必要になるのが、PFLとして一貫したメッセージだ。
どの地域で何を見せるのか。
どの選手をどう売り出すのか。
PFLという団体を、UFCとは違うどのような存在として認識させるのか。
バーコウィッツの就任は、その部分を強化するための人事といえる。
PFLは“興行団体”からグローバルブランドへ
PFLはこれまで、リーグ/シーズン制や賞金制度、Bellator買収後のロスター再編、地域リーグの展開など、UFCとは異なる路線で存在感を出してきた。
ただ、MMA団体が長期的に成長するためには、試合カードだけではなく、団体そのもののブランド価値を高める必要がある。
今回、PFLが初めてCCOというポジションを設けたことは、まさにその段階に入ったことを示している。
バーコウィッツに求められるのは、PFLの規模感を打ち出すことだけではない。
選手の背景を伝え、地域ごとのファンに届くストーリーを作り、PFLが「もう一つのMMA団体」ではなく、独自の価値を持つグローバルブランドであることを浸透させることだ。
PFLが今後、どれだけ魅力的なカードを組めるか。
そして、そのカードに出る選手たちをどれだけスターとして見せられるか。
今回の人事は、その両方に関わる動きとして見ておきたい。


