CBS Sportsが米国出身UFCファイター歴代トップ25を発表 1位はジョン・ジョーンズではなくデメトリアス・ジョンソン

CBS Sportsが、UFC史における米国出身ファイターのトップ25ランキングを発表した。
単純に勝利数や王座防衛回数だけで並べたランキングでもない。
UFCでの功績を前提にしながら、レガシー、実績、革新性、キャリアの印象も含めて評価している。
ランキングで最も目を引くのは、1位がジョン・ジョーンズではなく、デメトリアス・ジョンソンになっている点だ。
ジョーンズはライトヘビー級を長く支配し、ヘビー級でも王座を獲得した選手であり、MMA史上最高のファイターとして語られることも多い。
それでも今回のランキングでは2位。
1位には、UFCフライ級の初代王者として11度の王座防衛を達成したジョンソンが置かれた。
単なる勝利数や知名度ではなく、UFCで築いた支配力、完成度、競技への貢献をどう評価するのか。
今回のランキングは、その基準を考えるうえでも興味深い内容になっている。
1位はデメトリアス・ジョンソン
1位に選ばれたのは、元UFCフライ級王者のデメトリアス・ジョンソンだった。
ジョンソンはUFCフライ級の初代王者となり、その後11度の王座防衛に成功した。
これはUFC史上最多の連続王座防衛記録であり、単に勝ち続けただけでなく、内容面でも圧倒的な支配力を見せた。
堀口恭司戦では、5ラウンド4分59秒に腕十字で一本勝ち。
レイ・ボーグ戦では、スープレックスから空中で腕十字に移行する衝撃的なフィニッシュを決めた。
技術、完成度、安定感、創造性のすべてで、フライ級という階級の価値を引き上げた存在だった。
ジョン・ジョーンズは2位
2位はジョン・ジョーンズだった。
競技力だけで見れば、ジョーンズを史上最高のMMAファイターと見る声は今でも多い。
23歳でUFCライトヘビー級王座を獲得し、マウリシオ・ショーグン、クイントン・ランペイジ・ジャクソン、リョート・マチダ、ラシャド・エヴァンス、ヴィトー・ベウフォート、アレクサンダー・グスタフソン、ダニエル・コーミエらと同じ時代を戦い、ライトヘビー級の歴史を大きく塗り替えた。
さらにヘビー級でも王座を獲得しており、実績だけを並べれば1位でも不思議ではない。
それでもCBS Sportsは、ジョーンズを2位に置いた。
理由として大きいのは、薬物検査をめぐる問題やオクタゴン外でのトラブルが、キャリアの評価に影を落としていることだ。
どれだけ強くても、レガシーを語るうえで“汚点”を無視できないという判断だろう。
3位はランディ・クートゥア
3位には、ランディ・クートゥアが入った。
クートゥアは、UFCヘビー級とライトヘビー級の両方で王座を獲得したレジェンドだ。
ヘビー級王座、ライトヘビー級王座、暫定ライトヘビー級王座、さらにUFCトーナメント優勝という実績を持ち、時代をまたいで何度もタイトル戦線に戻ってきた。
若い頃に一度頂点に立っただけではない。
階級を変え、年齢を重ね、それでも自分の戦い方を作り直してきた。
UFCにおける「再生」と「適応力」を象徴する存在といえる。
4位はマット・ヒューズ
4位は、元UFCウェルター級王者のマット・ヒューズだった。
ヒューズは、ジョルジュ・サンピエール以前のUFCウェルター級を代表する王者だ。
強烈なレスリング、トップコントロール、フィジカルを武器に、当時のUFCで圧倒的な存在感を示した。
カルロス・ニュートンをスラムで下して王座を獲得し、ショーン・シャーク、フランク・トリッグ、桜井“マッハ”速人らを相手に勝利を重ねた。
BJ・ペンやGSPとのライバル関係も含め、UFCウェルター級の歴史を語るうえで外せない選手だ。
5位はフランク・シャムロック
5位には、フランク・シャムロックが入った。
この順位は、今回のランキングでも議論を呼びそうなポイントだ。
フランク・シャムロックは、現在のライトヘビー級にあたる王座の初代王者として知られ、ケビン・ジャクソンをわずか16秒で腕十字に仕留めて王座を獲得した。
その後もイゴール・ジノビエフ、ジェレミー・ホーン、ジョン・ローバー、ティト・オーティズを相手に王座を守り、短期間ながら圧倒的な支配力を見せた。
評価されているのは、単なる実績だけではない。
当時のMMAでは、レスラー、ストライカー、柔術家といった“単一の武器”を持つ選手が多かった。
その中でフランク・シャムロックは、打撃、組み、寝技、スタミナ、戦術を高いレベルで融合させた、現代MMAに近いタイプの選手だった。
トップ25の顔ぶれ
以下ランキング上位25人は以下の通り。
6位 ロンダ・ラウジー
7位 ダニエル・コーミエ
8位 スティーペ・ミオシッチ
9位 ドミニク・クルーズ
10位 マックス・ホロウェイ
11位 チャック・リデル
12位 ケイン・ヴェラスケス
13位 BJ・ペン
14位 ローズ・ナマユナス
15位 ヘンリー・セフード
16位 タイロン・ウッドリー
17位 ロビー・ローラー
18位 フランキー・エドガー
19位 ベンソン・ヘンダーソン
20位 TJ・ディラショー
21位 ジャスティン・ゲイジー
22位 マーク・コールマン
23位 クリス・ワイドマン
24位 ティト・オーティズ
25位 アルジャメイン・スターリング
偉大さは勝利数だけでは決まらない
このランキングが面白いのは、単純な勝利数や王座獲得数だけで並べていないところだ。
ジョーンズは、競技力と実績では1位でもおかしくない。
しかし、キャリア全体を評価するランキングでは、薬物検査やオクタゴン外での問題も無視できない。
反対に、デメトリアス・ジョンソンは派手なスター性ではジョーンズに及ばないかもしれないが、UFCフライ級での支配力、技術の完成度、キャリア全体の安定感が高く評価された。
また、フランク・シャムロックのように、現代のファンには馴染みが薄い選手がトップ5に入っている点も重要だ。
MMAがまだ発展途上だった時代に、競技の形を先に進めた選手をどう評価するのか。
そこも、このランキングの大きなテーマになっている。
UFCの歴史を振り返るとき、最強だったか、長く勝ったか、人気があったか、競技を変えたかという評価軸は、それぞれ少しずつ違う。
若いファンにとっては、名前だけ知っているレジェンドの試合を見返すきっかけにもなるだろう。
UFC公式YouTubeでは過去の名勝負やフルファイトが公開されていることもあり、まずはそこから当時の空気を感じてみてもいい。
さらに興味が湧いた人は、UFC Fight Passで過去の大会や名勝負を見返してみてもいいかもしれない。
デメトリアス・ジョンソン、ジョン・ジョーンズ、ランキングの名前をただ眺めるだけでなく、実際の試合を見ることで、それぞれがなぜ高く評価されているのかも見えてくるはずだ。
今回のCBS Sportsのランキングは、その違いを考えるうえで興味深い材料になる。
参照:Ranking the top 25 American fighters of all time in UFC history


