アルジャメイン・スターリングがザラルを完封 フェザー級タイトル戦線に再浮上

UFC Vegas 116のメインイベントで、元UFCバンタム級王者アルジャメイン・スターリングと、勢いに乗るユセフ・ザラルがフェザー級で対戦した。
結果は、スターリングが5ラウンドを戦い抜いて3-0の判定勝ち。
ジャッジ3者はいずれも49-45をつけ、スターリングが明確な内容で勝利を手にした。
この試合は、単なる元王者の再起戦ではなかった。
バンタム級で頂点に立ったスターリングが、フェザー級でもタイトル戦線に食い込めるのか。
一方のザラルは、UFC復帰後の勢いを本物として証明できるのか。
その意味で、両者にとって非常に重要なメインイベントだった。
スターリングが見せた"らしさ"全開の5ラウンド
試合は序盤こそ、ザラルが距離を取りながら打撃で探る展開になった。
ザラルは身長差とスピードを活かし、距離を取りながらジャブや膝でスターリングにプレッシャーをかけようとする。
しかし、スターリングは焦らなかった。
ローキック、右のオーバーハンド、そして組みへの入りを混ぜながら、少しずつ自分の距離を作っていく。
試合の流れを大きく変えたのは、やはりグラップリングだった。
スターリングはテイクダウンからトップを奪い、バックコントロール、ボディトライアングル、細かいパウンドでザラルの動きを封じていく。
MMA Fightingも、スターリングが繰り返しザラルをテイクダウンし、グラウンドで支配し続けたと伝えている。
ザラルも完全に何もできなかったわけではない。
3ラウンドにはギロチンチョークでスターリングを捕まえかけ、トップを取る場面もあった。
さらに終盤には打撃で前に出る時間も作った。
だが、試合全体を通して見ると、スターリングのコントロール力が大きく上回った。
数字にも表れた支配力
この試合は、見た目の印象だけでなく、スタッツにもスターリングの支配力が表れている。
ESPNのFightCenter上では、トータルストライクがスターリングの220/293に対し、ザラルは61/97。
コントロールタイムもスターリングが13分49秒、ザラルが3分59秒と大きな差がついた。
テイクダウンもスターリングが11回中6回成功、ザラルは0回と表示されている。
特に象徴的だったのは4ラウンドだ。
スターリングは3ラウンドにザラルへ流れを渡しかけた直後、4ラウンドで一気に試合を取り戻した。
CBS Sportsは、この4ラウンドをジャッジ全員が10-8と評価したと伝えており、ここが判定の大きな決め手になった。
スターリングにとっては、まさに"元王者の試合運び"だった。
派手なKOや一本勝ちではない。
だが、相手の強みを消し、自分の得意な局面に引きずり込み、時間を支配する。
これこそスターリングが長年UFCトップ戦線で戦ってきた理由だ。
ザラルの勢いを止めた意味は大きい
ザラルはこの試合まで、フェザー級で勢いのある存在だった。
UFC復帰後は無敗の勢いでランキング上位に食い込んできた存在だった。
試合前の情報では、スターリングがフェザー級5位、ザラルが7位という位置づけで、この一戦はタイトル戦線に向けた重要なサバイバルマッチでもあった。
そのザラルを相手に、スターリングは5ラウンドを通して明確に勝ち切った。
これは、フェザー級でもトップクラスのフィジカルとグラップリングが通用することを改めて示した勝利だ。
スターリングはバンタム級時代、王者として評価されながらも、試合内容や勝ち方をめぐって賛否を浴びることも多かった。
しかし今回の勝利は、そうした議論よりも前に「フェザー級でも十分にタイトル戦線で戦える」と証明する内容だった。
試合後はタイトル挑戦をアピール
勝利後、スターリングはフェザー級タイトル挑戦への意欲を強く示した。
MMA Fightingによると、スターリングは試合後にモフサル・エフロエフと王者アレクサンダー・ヴォルカノフスキーの名前を出し、自身が次のタイトル戦線に絡むべきだと主張している。
スターリングはフェザー級転向後、これで3勝1敗。
唯一の敗戦はエフロエフ戦であり、その試合も一方的な内容ではなかった。
今回のザラル戦で、再びランキング上位に存在感を示した形になる。
ただし、無敗のエフロエフがレローン・マーフィーに勝利して次期挑戦に近い位置にいるため、スターリングがすぐにタイトル挑戦へ進むかは不透明だ。
それでも、スターリングがこの勝利でタイトル戦線に再浮上したことは間違いない。
ザラルにとっては痛い敗戦、しかし評価が完全に落ちる内容ではない
一方のザラルにとっては、非常に痛い敗戦となった。
ここでスターリングを倒せば、一気にトップ5入り、さらにはタイトル挑戦候補として名前が挙がる可能性もあった。
しかし、相手は元UFC王者であり、MMA全体でも屈指のグラップラーだ。
3ラウンドに見せ場を作り、最後までフィニッシュを狙った姿勢を考えると、ザラルの評価が完全に落ちる試合ではない。
むしろ課題は明確になった。
トップクラスのレスリング、バックコントロール、ケージ際の組みに対して、どこまで対応できるか。
ザラルが今後さらに上を目指すなら、この試合は大きな経験になるはずだ。
スターリングは"フェザー級の嫌な相手"になった
今回の勝利で、スターリングはフェザー級において非常に厄介な存在になった。
打撃だけで勝負する相手にとって、スターリングの組みは大きな脅威になる。
寝技が得意な相手であっても、スターリングのトップコントロールとバック奪取能力は簡単には崩せない。
フィニッシュこそなかったが、5ラウンドを通して相手の持ち味を消し続ける内容は、タイトル戦線で十分に意味を持つ。
フェザー級には華のあるストライカーや強烈なフィニッシャーが多い。
その中でスターリングは、派手さとは別の形で勝ちを積み上げるタイプだ。
だからこそ、対戦相手にとっては非常に嫌な存在になる。
ザラル戦の勝利は、スターリングが単に元バンタム級王者という肩書きだけでフェザー級にいるわけではないことを示した。
フェザー級でも、タイトル戦線に絡める位置まで再び浮上した。
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