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UFC選手が怪我をしたら治療費は誰が払うのか? 試合中と練習中で違う"格闘技の保険事情"

tyamat
UFC選手が怪我をしたら治療費は誰が払うのか? 試合中と練習中で違う"格闘技の保険事情"

格闘技を見ていると、選手が試合中に大きな怪我を負う場面は珍しくない。
カット、骨折、膝の負傷、眼窩底骨折、脳震盪。
MMAは競技の性質上、勝敗だけでなく身体へのダメージも避けて通れない。

ここで多くのファンが疑問に思うのが、その治療費は誰が払うのかということだ。
団体が払うのか。
選手が自腹で払うのか。
それとも保険があるのか。

特に、世界最大のMMA団体であるUFCではどうなっているのか。
これは、格闘技ファンなら一度は気になるテーマだ。

試合中の怪我は、開催地のルールに基づいて興行側の保険でカバーされることがある

まず整理したいのは、試合中の怪我と練習中の怪我は扱いが違うということだ。

米国では州ごとにアスレチックコミッションが大会を管轄しており、保険の要件は州によって異なる。

たとえばネバダ州では、プロモーターが各選手に対して5万ドル以上の一次医療保険を用意し、試合中の怪我に対する医療・手術・入院費用をカバーすることが求められている。
さらに、その保険は選手に免責額を負担させない内容でなければならないとされている。

参考として、ボクシングを対象とした基準を定めるAssociation of Boxing Commissionsのガイドラインでは、「試合で負った怪我をカバーする健康保険」として推奨額は10万ドル、最低額は1万ドルとされている。
これはボクシング向けの基準だが、格闘技興行における医療保険要件の一例として示されることがある。

このように、主要な開催地ではプロモーターに一定の医療保険を求める仕組みが整っている州がある。
ただし、保険の内容や金額は開催地によって異なるため、すべての大会で同じ水準の保険が適用されるわけではない。

ただし「何でも全部カバーされる」わけではない

ここで重要なのは、保険があるからといって、すべての治療費や将来の生活まで保証されるわけではないという点だ。

イベント保険は基本的に、その試合で発生した怪我を対象にするものだ。
長期的な後遺症、慢性的なダメージ、引退後の医療、生活費、次の試合に出られなくなった分の収入まで、すべてを補償するものではない。

ニューヨーク州では、UFC 205開催時に一般医療保険に加え、選手1人あたり最大100万ドルの外傷性脳損傷保険が必要になったことが報じられている。
これはニューヨーク州が求めた特に厳格な保険要件であり、重い脳損傷リスクに備えるための制度だった。
UFC全体に共通する制度ではなく、開催地特有の条件として導入されたものだ。

このように、開催地によって必要な保険の条件は大きく変わる。
それでも「怪我をしたら団体が無制限に面倒を見る」という話ではない。

UFCは2011年に、練習中の怪我にも対応する事故保険を導入した

では、試合中ではなく練習中に怪我をした場合はどうなのか。

ここが、多くの選手にとってより大きな問題になる。

試合の怪我はイベント保険で対応されることが多い。
一方で、練習中の怪我は大会当日の事故ではないため、通常のイベント保険だけではカバーされにくい。

UFCは2011年、契約選手向けに事故保険を導入したと発表している。
当時の説明では、試合中の怪我とは別に、トレーニング中の怪我や日常生活上の事故も対象に含まれ、年間上限は選手1人あたり5万ドルとされていた。
保険料はUFCの親会社であるZuffaが負担すると報じられている。

ただし、この制度は一般的な健康保険ではなく、事故による怪我を対象にした補償だった。
また、現在も同じ条件で運用されているのか、どのような場合に申請できるのか、試合予定の有無によって扱いが変わるのかについては、公開情報だけでは分かりにくい部分がある。

練習中の怪我では、今も選手負担が問題になるケースがある

UFCが2011年に事故保険を導入した一方で、練習中の怪我をめぐる不安は今も残っている。

2025年にはブライス・ミッチェルが試合予定のない時期の練習中に鼻を負傷し、治療費の高さを理由にSNSで助けを求めたことが報じられた。
この件は、UFC選手であっても、試合外・試合予定外の怪我については補償の範囲が分かりにくく、選手側の負担が問題になり得ることを示している。

結局、団体が出すのか? 選手が出すのか?

まとめると、答えはかなり現実的だ。

試合中の怪我については、ネバダ州などの主要開催地ではコミッション規則に基づいてプロモーター側が保険を用意する仕組みがある。
選手が完全に自腹で全額を払うというより、開催地の規則に基づいた興行側の保険制度が存在する。
ただし、保険の内容は開催地によって異なり、すべての大会で同じ水準が保証されるわけではない。

一方で、練習中の怪我はより複雑だ。
UFCは2011年の発表では契約選手向けに事故保険を導入しており、当時はトレーニング中の怪我も対象に含まれるとされていた。
ただし、それは一般的な健康保険ではなく、上限や条件のある事故保険だ。

さらに、怪我で試合を欠場した場合、治療費の問題とは別に、ファイトマネーを得られない問題もある。
治療費が保険で一部カバーされたとしても、キャンプ費用、生活費、次の試合までの収入減まで補償されるわけではない。

ここが、格闘技選手の厳しいところだ。

怪我をすれば治療が必要になる。
試合に出られなければ収入も失う。
しかも、その怪我が試合中なのか、練習中なのかで補償のされ方が変わる。

UFCは業界では進んでいるが、選手保護の議論は終わっていない

UFCは、2011年の時点で練習中の怪我にも対応する事故保険を導入しており、格闘技業界の中ではかなり早い段階で選手保護に踏み込んだ団体だと言える。

ただ、それでも選手たちは会社員ではなく、基本的には独立契約者として扱われている。
そのため、長期的な健康保険、引退後の医療、怪我による収入補償といった部分は、今も議論の対象になっている。

格闘技は、選手が身体を削って成立している競技だ。
だからこそ、ファンが「怪我をした選手の治療費はどうなるのか」と疑問を持つのは自然なことだ。

UFCには試合中の怪我に対する保険があり、2011年には契約選手向けの事故保険も導入された。
しかし、それは選手の人生全体を守る万能の制度ではない。

格闘技をより健全なスポーツとして発展させるためには、試合の面白さだけでなく、選手が怪我をした後にどのように守られるのかにも目を向ける必要がある。

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