朝倉海と対戦するアオリ・チロンとは何者か プロ40試合を戦った内モンゴル出身の散打ファイター

朝倉海(Kai Asakura)の次戦の相手に決まったアオリ・チロン(Aoriqileng)は、中国・内モンゴル出身のバンタム級ファイターだ。
現在、UFCバンタム級の公式ランキングには入っていないが、ノーコンテストを含めてプロ40試合を経験。
UFCではこれまで10試合を戦い、4勝5敗1ノーコンテストの戦績を残している。
散打をバックボーンに持ち、前へ出ながらパンチをまとめる積極的なファイトスタイルが特徴だ。
8月29日に中国・上海で開催される「UFC FIGHT NIGHT: NURMAGOMEDOV vs SONG」では、母国の観客から大きな声援を受けることが予想されるなか、朝倉と対戦する。
中国国内で経験を積んだ散打出身のファイター
アオリ・チロンは1993年6月25日生まれ。
ニックネームは「The Mongolian Murderer」で、オーソドックス構えから繰り出す力強いパンチを武器としている。
中国国内の団体を中心に経験を積み、2021年4月のジェフ・モリーナ戦でUFCデビュー。
当初の2試合はフライ級で戦ったが、2022年のキャメロン・エルス戦から本来のバンタム級へ戻している。
現在のプロ戦績は26勝13敗1ノーコンテスト。
通算40試合という豊富な実戦経験は、アオリ・チロンの大きな強みだ。
被弾を恐れず前へ出る打撃型
アオリ・チロンの特徴は、相手との距離を詰めながらパンチを打ち込む前進力にある。
距離を保ってカウンターだけを待つタイプではなく、自らプレッシャーをかけ、右ストレートや左右のフックをまとめて相手を後退させる。
接近戦では頭部だけでなく、ボディへのパンチも織り交ぜる。
UFCでの有効打命中率は49%。
一方で、1分あたりの有効打被弾数は5.47発と多く、積極的に攻撃を仕掛ける過程で相手のパンチを受ける場面も少なくない。
守備を固めてポイントを積み上げる技巧派というより、被弾を恐れず手数を出し、打ち合いを仕掛けるタイプといえる。
開始21秒でのTKO勝利も記録
アオリ・チロンは通算26勝のうち9勝をKOまたはTKOで挙げており、試合を一気に動かす打撃力も持っている。
その決定力を強く印象づけたのが、コーディ・ギブソン戦だった。
ギブソンのインサイドローキックに右ストレートを合わせてダウンを奪うと、そのまま追撃をまとめ、開始21秒でTKO勝利を収めた。
キャメロン・エルス戦でも左のボディブローでダウンを奪い、第1ラウンドにTKO勝利。
打撃戦で流れをつかんだ際には、一気に相手を仕留める爆発力がある。
防御面と組みの局面には不安も
積極的に攻撃する反面、前へ出る際にガードが開き、カウンターを受ける場面も見られる。
アイマン・ザハビ戦では第1ラウンド1分04秒にパンチでKO負け。
ラウル・ロサス・ジュニア戦では3度のテイクダウンを許し、組みの局面で主導権を握られて判定負けを喫した。
前戦のコーディ・ハドン戦では、ケージ際で肝臓付近への膝蹴りを受けて崩れ、第2ラウンド2分11秒にTKO負け。
接近戦におけるボディの防御にも不安を残した。
テイクダウンを仕掛けることはあるものの、通算の一本勝ちは1試合のみ。
寝技によるフィニッシュを主な勝負手としている選手ではない。
朝倉海との試合で注目されるポイント
朝倉とアオリ・チロンはいずれもパンチで試合を終わらせる力を持っており、打撃の攻防が大きな見どころになりそうだ。
アオリ・チロンとしては、前進しながら手数を増やし、朝倉をケージ際へ追い込みたい。
一方の朝倉にとっては、相手が踏み込んでくる瞬間に右ストレートや左フックなどのカウンターを合わせる展開が有効になる可能性がある。
アオリ・チロンは攻撃時に隙が生まれ、被弾が増える傾向もある。
朝倉のスピードとカウンターの精度は、この組み合わせで大きな武器になりそうだ。
ただし、アオリ・チロンにはプロ40試合の経験があり、中国開催による後押しも予想される。
UFCでの2連勝を目指す朝倉の前に、経験豊富な中国のベテランが立ちはだかる。


