沢田千優戦から再起へ 三浦彩佳がストロー級でビクトリア・ソウザと対戦

2026年7月18日、タイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開催される「ONE Fight Night 45」(米国時間では7月17日)で、三浦彩佳がブラジルのビクトリア・ソウザと対戦する。
両者はONE女子アトム級を主戦場としているが、ONEの対戦発表では一階級上のストロー級で行われるとされている。
三浦にとっては、4月の「ONE SAMURAI 1」で沢田千優に敗れて以来となる再起戦。
ソウザも3月の復帰戦でKO負けを喫しており、どちらも連敗は避けたい一戦となった。
アトム級王座戦線への再浮上を目指す三浦は、今回は一時的にストロー級で戦う。
一度は王座挑戦を決めていた三浦
三浦は柔道三段の実力を持ち、袈裟固めからアメリカーナ式の腕がらみを狙う独特の形を得意としている。
ONEでは、その得意技が「アヤカロック」と呼ばれるほど定着した。
立ち技で正面から打ち合うのではなく、組みついて相手を倒し、上半身を固定して腕を狙う。
相手に得意な形を作らせず、自分の展開へ引き込むことが三浦の強みである。
2022年にはONE女子ストロー級MMA世界王者ション・ジンナンに挑戦したが、5ラウンドを戦い、ユナニマス判定で敗れた。
その後はアトム級へ階級を下げ、再び王座を目指した。
5連勝の起点は、2023年11月にストロー級で戦った孟博戦だった。
続いてアトム級へ転向し、平田樹、マカレナ・アラゴン、リトゥ・フォガット、フリアナ・オタロラに4連勝。
アトム級転向後も白星を重ねていた。
そして2025年7月のオタロラ戦に勝利した時点で、三浦はすでに王者デニス・ザンボアンガへの挑戦権を獲得していた。
ONE 173でのタイトル戦も正式に決まっていたが、王者の健康上の理由で中止に。
沢田戦は、一度は確定した王座挑戦への道を、改めて確かなものにするための一戦だった。
しかし、日本で行われた大一番で、その流れは止まった。
沢田千優に腕十字で一本負け
「ONE SAMURAI 1」で三浦と対戦した沢田は、レスリングを武器とする日本人トップコンテンダーだった。
三浦は試合開始直後から組みを狙ったが、沢田はテイクダウンを防ぎ、グラウンドの攻防で主導権を握った。
最終的には1ラウンド4分33秒、沢田が腕十字を極めて一本勝ち。
三浦はONEのMMAでは初めて日本人選手に敗れ、続いていた連勝も5で止まった。
勝利した沢田はザンボアンガへの王座挑戦権を手にし、三浦はタイトル戦線から一歩後退することになった。
三浦にとって、結果以上に厳しい内容だった。
最も自信を持つ組みと寝技の攻防で、自分と同じく組みを軸とする沢田に上回られたからだ。
打撃で倒されたのではなく、得意分野で一本を奪われた。
再び上位へ戻るには、白星だけでなく、自らの強みが今も通用することを証明し直す必要がある。
ソウザも復帰戦でKO負け
対戦相手のビクトリア・ソウザも、勝利を必要としている。
28歳のソウザはブラジル出身。
打撃と組みをバランス良く操り、ONEではリンダ・ダロウに判定勝ち。
2024年には平田樹をギロチンチョークで下し、アリース・アンダーソンにも勝利した。
しかし、出産と育児のため競技から離れ、長期のブランクを経験する。
2026年3月、「ONE Fight Night 41」でアナスタシア・ニコラカコスを相手に復帰。
約1年半ぶりの試合だったが、1ラウンド4分59秒、グラウンドパンチを浴びてKO負けを喫した。
復帰戦で白星を挙げられず、今回が復帰2戦目となる。
沢田戦の敗北から立て直そうとする三浦と同じく、ソウザも長期離脱とKO負けを乗り越えなければならない。
勝者は上位戦線へ再浮上する足掛かりを得る一方、敗者は連敗となる。
両者にとって、今後の立場を左右する一戦である。
勝負の鍵は三浦が組みつけるか
試合の焦点は、三浦がいつもの形へ持ち込めるかにある。
三浦は距離を詰め、ロープ際やコーナーで組みつき、投げや足払いから上を取りたい。
袈裟固めに入れれば、ソウザの腕を狙いながら長くコントロールできる。
一方のソウザは、三浦の正面に立ち続けないことが重要になる。
タックルを切り、首投げや腰投げを許さず、打撃の距離を保てれば、スピードと手数で優位に立てる可能性がある。
三浦が強引に前へ出たところへパンチや膝を合わせる展開も考えられる。
ストロー級で行われることも見逃せない。
減量幅が小さくなることで、三浦はフィジカルやスタミナを維持しやすくなる可能性がある。
一方のソウザも本来のアトム級より重い契約となるため、組みの場面で簡単に押し込まれるとは限らない。
三浦が序盤にテイクダウンを奪えるのか。
ソウザが組みを防ぎ、打撃戦へ持ち込めるのか。
序盤の攻防が、試合全体の流れを左右しそうだ。
35歳、王座への道をもう一度
三浦は沢田戦の前、ベルトを獲得し、自分が戦ってきたものを形として残したいと語っていた。
その目標は、一本負けで消えたわけではない。
ただし、王座へ向かう時間が無限にあるわけでもない。
35歳で迎える今回の再起戦は、一敗を取り返すだけの試合ではない。
今後も世界王座を目指す選手として戦えるのかを示す機会になる。
対するソウザも、母となって競技へ戻り、復帰後初勝利を狙う。
沢田に敗れた三浦と、復帰戦でKOされたソウザ。
直前の試合で痛い黒星を喫した二人が、近年主戦場としてきたアトム級ではなく、一階級上のストロー級で向かい合う。
三浦がアヤカロックを再び完成させ、アトム級王座戦線へ戻る足掛かりをつかむのか。
それともソウザが、日本の元タイトル挑戦者を破って復活を印象づけるのか。
7月18日、女子アトム級の今後にもつながる一戦が行われる。


