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日本の28歳がアジアMMAの英雄に挑む 磯嶋祥蔵対エドゥアルド・フォラヤンの世代交代戦

EasyFight運営
日本の28歳がアジアMMAの英雄に挑む 磯嶋祥蔵対エドゥアルド・フォラヤンの世代交代戦

2026年7月10日に行われる「The Inner Circle 21」で、磯嶋祥蔵が元ONEライト級王者エドゥアルド・フォラヤンと対戦する。

28歳の磯嶋と42歳のフォラヤン。
年齢差は14歳ある。

フォラヤンはONEの旗揚げ期から団体を支え、二度ライト級王座を獲得したフィリピンMMAの象徴的存在。
一方の磯嶋は、教員として働きながらプロ格闘家として活動し、国内無敗のままONEへ進出した日本のライト級ホープだ。

ただし、今回の試合を単純な若手対レジェンドと捉えることはできない。

磯嶋は現在2連敗中。
フォラヤンも2025年の青木真也戦で一本負けを喫しており、長いキャリアの終盤にいる。

勝者は再び前へ進めるが、敗者はONEライト級での立場をさらに厳しくする。

世代交代という華やかな言葉の裏に、双方のキャリアが懸かった現実的な一戦である。

“戦う教師”としてONEへ

磯嶋は三重県出身。
学生時代に柔道へ取り組み、全日本学生選手権にも出場した。

教員として働く一方、N☆TRUSTでMMAを学び、GLADIATORでプロデビュー。
柔道で培った組みとテイクダウン、トップポジションからのコントロールを武器に5戦全勝を記録した。

2025年10月にはONE本戦へ初出場し、無敗だったニコラス・ヴィーニャと対戦。

磯嶋はタックルから上を取り、マウントポジションで相手を削り続けた。
2ラウンド4分19秒、肘とパンチによるTKO勝利を収め、5万ドルのパフォーマンスボーナスも獲得した。

国内で実績を積んだ日本人選手が、ONE初戦で外国人の無敗選手をフィニッシュした。

この時点で磯嶋は、日本のライト級から世界へ進む新たな存在として大きな期待を集めた。

タイ・ルオトロとエイドリアン・リーに連敗

しかし、ONEでの道は初戦のようには進まなかった。

2025年11月、磯嶋はONEウェルター級サブミッション・グラップリング王者タイ・ルオトロとMMAルールで対戦した。

柔術世界トップクラスのルオトロを相手に、磯嶋は組みの攻防で背後を奪われ、1ラウンド2分26秒、リアネイキッドチョークで一本負け。
プロ初黒星を喫した。

続く2026年2月には、元ONE女子アトム級王者アンジェラ・リーと、ライト級・ウェルター級王者クリスチャン・リーを姉兄に持つエイドリアン・リーと対戦した。

磯嶋は序盤から前へ出たものの、リーの打撃と組みの連係に押され、1ラウンド2分56秒、肘とパンチによるTKO負け。

無敗でONEへ参戦した選手が、わずか数カ月で2連敗を経験した。

磯嶋の戦績は6勝2敗。
ONEでは1勝2敗となった。

今回のフォラヤン戦は、初参戦時に得た勢いを取り戻せるかを問われる再起戦である。

フィリピンMMAを背負ってきたフォラヤン

フォラヤンは、ONEの歴史を語るうえで欠かせない選手だ。

散打を土台とする独特の打撃を武器に、回転系の蹴りや強烈なローキック、前進しながら放つパンチで数々の試合を戦ってきた。

2016年には青木真也を3ラウンドTKOで破り、ONEライト級王座を獲得。
当時、長期政権を築いていた青木を倒した勝利は、アジアMMAにおける大きな番狂わせとして記憶されている。

その後、一度は王座を失ったものの、2018年にアミール・カーンを判定で破り、再びベルトを獲得した。

ONEライト級王座を二度獲得し、フィリピンのMMA人気を支え続けた。

フォラヤンの存在によって、ジョシュア・パシオ、ケビン・ベリンゴン、ジェヘ・ユースタキオら、後にONE王者となるフィリピン人選手たちへの注目も高まった。

単なる元王者ではない。

フォラヤンは、フィリピンの選手が世界的な舞台で王者になれることを示した先駆者の一人である。

青木真也との4度目の対戦で一本負け

フォラヤンは2025年3月の「ONE 172」で、青木真也と4度目の対戦を行った。

両者の初対決ではフォラヤンがTKO勝ちを収めたが、その後の2試合では青木が一本勝ち。
4戦目も青木が開始53秒で腕十字を極めた。

フォラヤンにとっては、長年続いた因縁に再び敗れる結果となった。

現在のMMA戦績は23勝14敗。

直近のMMA5試合では勝利が一つにとどまり、全盛期のように王座戦線の中心にいるわけではない。

しかし、2023年にはアミール・カーンをKOしており、打撃の破壊力が完全に失われたわけではない。
経験の浅い選手が不用意に正面から入れば、一発で試合を変えられる力を現在も持っている。

磯嶋にとって、若さだけで越えられる相手ではない。

磯嶋はレジェンドを倒して再起できるか

磯嶋の強みは、組みの圧力とトップからの攻撃にある。

柔道を土台に相手をケージへ押し込み、足をかけて倒す。
上を取った後は、位置を維持しながら肘とパウンドを重ね、相手の体力を奪っていく。

ヴィーニャ戦では、この戦い方が理想的な形で機能した。

フォラヤンは散打出身のストライカーであり、打撃の距離を保って戦いたい。
磯嶋としては、正面で長く打ち合わず、早い段階から組みへつなげる必要がある。

フォラヤンは柔術家ではないが、長年青木をはじめとする強豪グラップラーと戦ってきた。
簡単に寝技へ持ち込めるとは限らない。

磯嶋が若さとフィジカルだけに頼らず、15分を通じて落ち着いて削れるかが問われる。

フォラヤンは打撃の距離を守れるか

フォラヤンが勝つためには、磯嶋の前進を止めなければならない。

42歳という年齢を考えれば、長時間組みで体力を削られる展開は避けたい。

一方、磯嶋は過去2試合とも1ラウンドで敗れている。

フォラヤンが序盤の攻防をしのぎ、磯嶋に迷いを与えられれば、経験の差が表れる可能性がある。

試合が進むほど、何度も大舞台を経験してきたフォラヤンの落ち着きが生きる。

若さで上回る磯嶋が序盤から圧力をかけるのか。

経験で勝るフォラヤンが、その勢いを受け止めて後半へ持ち込むのか。

時間の使い方も勝敗を分ける要素になる。

日本人ライト級が世界で生き残るために

ONEのライト級は、日本の一般的なライト級より重い77.1キロを上限としている。

体格やフィジカルに優れた海外選手が多く、組みを武器とする磯嶋にとっても簡単な階級ではない。

タイ・ルオトロ、エイドリアン・リーとの連敗は、世界のトップ候補との間にある差を示した。

それでも、ここでフォラヤンを破れば、磯嶋は再びONEで存在感を示せる。

元王者からテイクダウンを奪い、得意のパウンドで仕留めれば、単なる再起勝利以上の評価を得られるだろう。

反対に3連敗となれば、ONEで次の機会を得られるかどうかも不透明になる。

今回の試合は、磯嶋が世界で戦い続けるための分岐点である。

英雄を越えるのか、英雄が立ちはだかるのか

フォラヤンは、ONEが現在の規模へ成長する以前から団体を支えてきた。

磯嶋は、そのONEでこれから名前を築こうとしている。

二人のキャリアは対照的だ。

しかし、現在置かれている状況は似ている。

ともに敗戦から立ち直り、自分がまだ前へ進めることを証明しなければならない。

28歳の日本人が、42歳のフィリピンの英雄を倒して世代交代を起こすのか。

それともフォラヤンが、長年積み重ねてきた経験と打撃で若手の前に立ちはだかるのか。

7月10日、磯嶋祥蔵にとってONEでの未来を懸けた一戦が行われる。

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