ジョン・ジョーンズはDCとのレスリング戦を拒否したのか 7桁オファーでも実現しない“因縁の続き”

コーミエがジョーンズとのレスリング戦に言及
ダニエル・コーミエとジョン・ジョーンズの因縁は、まだ完全には終わっていないのかもしれない。
元UFC二階級王者のコーミエが、自身のYouTubeでジョーンズとのレスリングマッチについて語った。
コーミエによれば、両者には7桁ドル規模のオファーがあり、レスリング戦として実現する可能性があったという。
ただし、試合はまとまらなかった。
コーミエは、ジョーンズがレスリング戦を受けなかったと主張している。
コーミエの説明によれば、レスリングではなくグラップリング戦に変更する案も出たが、ジョーンズ側はポイント制ではなく、サブミッションオンリー形式を希望したという。
つまりコーミエの見方では、ジョーンズは自分が不利になる可能性のあるルールには乗り気ではない、ということになる。
もちろん、現時点でこれはコーミエ側の発言に基づく話だ。
ジョーンズ本人の詳細な反論や説明が出ていない以上、「ジョーンズが逃げたのか」と断定するのは早い。
それでも、7桁ドル規模のオファーがあったという話だけでも、この因縁が今なおファンを動かす力を持っていることは分かる。
UFC史に残る因縁が、レスリングで再燃
コーミエとジョーンズは、UFC史でも特に強い因縁を持つライバルだ。
両者はオクタゴンで2度対戦している。
初戦はジョーンズが判定勝ち。
再戦でもジョーンズが勝利したが、その後の薬物検査問題により、試合結果はノーコンテストに変更された。
この因縁は、単なる勝敗だけでは語れない。
試合前の舌戦、記者会見での衝突、ライトヘビー級王座をめぐる関係性。
2010年代のUFCを語るうえで、ジョーンズ vs コーミエは外せないカードだった。
その2人が、MMAではなくレスリングで再び向き合う可能性があった。
これだけで、ファンの関心を引くには十分だ。
しかもレスリングは、両者のキャリアの根底にある要素でもある。
MMAではジョーンズが結果を残したが、純粋なレスリングならどうなるのか。
コーミエも強気だ
コーミエがここまで強気なのは、自分の土俵がレスリングだからだ。
コーミエはMMA転向前、2004年アテネ五輪で4位に入った本格派レスラーだった。
UFCではヘビー級とライトヘビー級で王者になったが、その土台にあるのは常にレスリングだった。
一方のジョーンズも、MMAにおいてはレスリング力を大きな武器にしてきた。
長いリーチ、独特の打撃、クリンチ、肘、テイクダウン。
あらゆる局面で相手を支配してきた選手だ。
ただし、純粋なレスリングルールとなれば話は変わる。
MMAでは打撃、ケージ際の攻防、首相撲、肘、距離管理を混ぜられる。
だが、レスリングではポイントを取る能力、組みの精度、試合運びがより明確に問われる。
コーミエが「レスリングなら自分が勝つ」と考えるのは、キャリアを考えれば自然でもある。
逆にジョーンズにとっては、MMAで築いてきた優位性をすべて使えるわけではない。
だからこそ、コーミエはポイント制のレスリングやグラップリングにこだわり、ジョーンズ側はサブミッションオンリーを望んだと見ているのだろう。
ジョーンズの競技者としての現在地
ジョーンズは、今もMMA史上最高クラスの選手として名前が挙がる存在だ。
ただし、近年のキャリアは不透明な部分も多い。
ヘビー級王座を獲得した後、統一戦への流れがありながら、2025年6月に引退を発表した。
その後、ホワイトハウスでの大会出場を希望する発言もあったが、ダナ・ホワイトは「ジョーンズは引退していると考えるのが妥当」という趣旨の発言をしており、復帰の見通しは依然として不透明だ。
今回のレスリング戦の話も、その流れの中で見ると興味深い。
もしジョーンズがMMAではなく、レスリングやグラップリングのような形で再び表舞台に出るなら、それはファンにとって大きな話題になる。
だが、コーミエの主張が事実なら、ジョーンズは少なくともポイント制のレスリングやグラップリングには乗り気ではなかったことになる。
これはあくまでコーミエ側の見立てでもある。
ジョーンズがなぜそのルールを望まなかったのか、あるいは本当に交渉がどこまで進んでいたのかは、まだ見えない部分がある。
実現しなくても話題になるカード
ジョーンズ vs コーミエは、もうMMAで3度目の対戦が実現する可能性は無いだろう。
年齢、体重、立場、健康状態。
さまざまな要素を考えても、オクタゴンで再び向き合う姿を期待するのは現実的ではない。
だが、レスリングやグラップリングなら話は別だ。
試合時間は短く、打撃によるダメージのリスクはMMAより低い。
しかも、2人の因縁は今でもファンの関心を引く。
7桁ドル規模のオファーがあったという話が本当なら、それだけこのカードにはまだファンを動かす価値があるということだ。
ジョーンズが今後この件に反応するかどうかは分からない。
ただ一つ言えるのは、ジョン・ジョーンズとダニエル・コーミエの因縁は、ケージを離れた後もなお、格闘技ファンの興味を引き続けているということだ。


