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堀口恭司、主導権を握りながら一瞬で暗転 マネル・ケイプが長い時を経たリベンジで王座挑戦へ前進

EasyFight運営
堀口恭司、主導権を握りながら一瞬で暗転 マネル・ケイプが長い時を経たリベンジで王座挑戦へ前進

2026年6月20日、米国ラスベガスのMeta APEXで「UFC Fight Night: Kape vs. Horiguchi」が行われた。

メインイベントは、堀口恭司マネル・ケイプのフライ級5分5ラウンド戦。

2017年大晦日のRIZINバンタム級GPで、堀口が3ラウンドに肩固めで一本勝ちして以来となる再戦は、ケイプが3ラウンド2分42秒、右で効かせた後の追撃パンチでTKO勝ちを収めた。

この試合は結果だけを見れば「ケイプが堀口を倒した試合」だが、内容はそれほど単純ではない。

少なくとも2ラウンド終了時点では、流れは堀口にあった。
だからこそ、3ラウンドの結末は残酷であり、同時に一発の怖さを象徴するものになった。

2ラウンドまでは堀口の試合だった

堀口は序盤から、自分の距離を作ることに成功していた。

いきなり無理に踏み込むのではなく、ボディキック、右、左フック、出入りの速さを使いながら、ケイプに的を絞らせなかった。
ケイプもカウンターの危険を見せていたが、堀口は一発をもらってもすぐに距離を作り直し、試合のリズムを取り戻していた。

1ラウンド終盤には、堀口がテイクダウンを奪う場面もあった。

ケイプは打撃の爆発力がある選手だが、堀口は打撃だけで付き合うのではなく、組みとテイクダウンを混ぜることで、ケイプに常に複数の警戒を強いた。

2ラウンドも堀口の良さが出た。

左を当ててケイプをぐらつかせ、その流れから上を取る。
ケイプは下からエルボーを返していたが、試合全体の印象としては堀口が上でコントロールし、ケイプの爆発力を封じていた。

フライ級のトップ戦線で、ケイプ相手にここまで明確な勝ち筋を作れる選手は多くない。

堀口はUFC再挑戦後も、スピード、距離感、判断力がまだ世界レベルにあることを示していた。

ケイプが残していた一発の怖さ

それでも、ケイプは試合から完全に消えていたわけではなかった。

むしろケイプは、劣勢の中でも一瞬で流れを変えるポイントを探していた。

3ラウンドに入ると、ケイプは前に出る圧力を強めた。
堀口もカウンターで止める場面を作り、流れを渡さないように見えた。

しかし、その攻防の中でケイプの右フックが入った。

堀口が効かされ、足元が乱れる。
そこからケイプは逃さなかった。
倒れた堀口に対してパウンドをまとめ、最後はレフェリーが試合を止めた。

堀口が積み上げていた2ラウンド分の優位は、わずか数秒で崩れた。

これがUFCのトップ戦線であり、これがケイプという選手の怖さでもある。

内容で負けていても、一発で試合を終わらせる。
劣勢に見えても、相手が一瞬だけ立ち位置を間違えれば、そこを逃さない。

ケイプは、まさにその能力をメインイベントの舞台で証明した。

約8年半越しのリベンジという意味

この勝利は、ケイプにとって単なる1勝ではない。

堀口は、ケイプにとって長く残っていた名前だった。

2017年大晦日のRIZINで敗れた相手。
しかも当時の堀口は、日本MMAを代表する存在であり、ケイプにとっては越えなければならない壁だった。

その相手を、約8年半の時を経て、今度はUFCのメインイベントで倒した。

しかも判定ではなく、3ラウンドTKOという最も分かりやすい形でリベンジを果たした。

試合後、ケイプは堀口への敬意も口にした。
長く残っていた相手を倒した勝利であると同時に、自分を押し上げてきた存在を乗り越えた勝利でもあった。

これによりケイプは、フライ級王座挑戦を強く主張できる位置に立った。

試合内容だけを見れば、課題も残った。
序盤から堀口に距離を作られ、テイクダウンも許し、2ラウンドまでは劣勢だった。

だが、タイトル挑戦を争ううえで重要なのは、最終的に勝ったこと、そしてフィニッシュしたことだ。

ケイプはこれで4連勝。
しかも、そのすべてがKO/TKO勝利となった。
フライ級の中でも最も危険な挑戦者候補の一人になった。

堀口にとっては、通用したからこそ悔しい敗戦だった

一方で、堀口にとっては非常に悔しい敗戦になった。

勝てる流れを作りながら、勝ち切れなかった。

UFCのメインイベントで、タイトル戦線に近づく大きなチャンスを目前にしながら、一瞬の被弾で落とした。

ただ、この敗戦を「堀口はもう通用しない」と見るのは違う。

むしろ、2ラウンドまでの内容は、堀口がまだ世界のトップクラスと戦えることを示していた。

打撃の入り方、ケイプの攻撃を外す角度、組みを混ぜる判断、上を取った後の落ち着き。
どれも、堀口がこれまで積み上げてきた総合力そのものだった。

問題は、優位に進めている時間帯でも、最後まで相手の一発を防ぎ続けられるかどうかだった。

勝っている時間が長くても、それだけでは勝利にならない、最後の最後まで、相手の反応を上回らなければならない。

今回の堀口は、勝負の大半では正解を選んでいた。

しかし、ケイプの一発を最後まで防ぎきる事はできなかった。

フライ級の残酷さが詰まったメインイベント

この試合は、堀口の技術とケイプの決定力が同時に見えた一戦だった。

堀口は、ケイプを攻略する道筋を見せた。

ケイプは、その攻略の道筋を一発で壊した。

ケイプにとっては、王座挑戦へ向けた大きなアピール。

堀口にとっては、世界トップで戦えることを示しながらも、勝利する事ができなかった。

UFC Vegas 119のメインイベントは、フライ級という階級の速さ、怖さ、そして面白さを凝縮した試合だった。

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