マラット・グレゴリアン vs 海斗 因縁の再戦がONE SAMURAI 1で決着へ

4月29日に有明アリーナで開催される「ONE SAMURAI 1」で、マラット・グレゴリアンと海斗がフェザー級キックボクシングで対戦する。
ロッタンvs武尊、ハガティーvs与座、名高vsソンチャイノーイらと並ぶ注目カードの一つだ。
単なる好カードではなく、日本の打撃ファンが長く待っていた“未完の続き”が、ようやく動き出す試合でもある。
昨年の因縁——計量オーバーで流れた一戦
この試合が特別なのは、最初から因縁があるからだ。
両者は昨年のONE日本大会で一度対戦予定だったが、グレゴリアンが計量オーバーとなり試合は流れた。
シュートボクシング公式によれば、海斗は計量・ハイドレーションをクリアしたが、グレゴリアンは規定時間後にハイドレーションはパスしたものの計量オーバー。
その後キャッチウェイトでの実施を協議したが合意に至らず、中止となった。
シュートボクシング公式も昨年3月に中止となった一戦が今回あらためて実現すると伝えている。
だから今回は新規カードではなく、止まっていた物語の再開だ。
グレゴリアン——世界のど真ん中にいるベテラン
マラット・グレゴリアンを深掘りすると、この選手の怖さは“まだ世界のど真ん中にいるベテラン”であることだ。
ONE公式によれば、グレゴリアンは34歳、69勝14敗。
ONEフェザー級キックボクシング王座に2度挑戦してきた実績を持ち、昨年11月のONE 173では安保瑠輝也に判定勝ち。
今もスーパーボン戦線に食い込む立場を保っている。
単に名前がある選手ではなく、いま勝っておかしくない世界級が相手ということだ。
しかもグレゴリアンは、年齢を重ねて守りに入るタイプではない。
安保戦後には自分の出来に満足しつつもまだ改善点があると振り返り、自身を“完璧主義者”と表現している。
海斗戦を前にしたマインドセットについても「常に集中し、常に飢えている」と語った。
相手が日本人だろうがアウェーだろうが、前に出て崩しにくる圧力型の本質は変わっていない。
海斗——世界最強を掲げてONEへ
一方の海斗は、この試合で“日本最強クラス”ではなく“世界の本線”にいることを証明しにいく立場だ。
シュートボクシング公式によれば、海斗は昨年11月にエンリコ・ケールとの再戦に勝ち、12月にはシッティチャイにも勝利。
SB卒業と既存ベルト返上を経て、世界最強を目指すためにONE参戦を強く打ち出してきた。
今回のグレゴリアン戦は、その言葉に現実を与える試合になる。
海斗の人物像でおもしろいのは、ここへ来て急に作られた選手ではないことだ。
ONEの最新特集では、父が格闘技経験者ではないにもかかわらず、海斗と一緒に学びながら今もコーチを務めていることが紹介されている。
しかも昨年最初にグレゴリアン戦が決まって以降、父は相手の映像研究を続け、延期の間も対策を積み上げてきたという。
海斗にとって今回の一戦は、単なる個人の勝負ではなく、父と二人三脚で組み上げてきた設計図の答え合わせでもある。
海斗が語る勝ち筋——速さと鋭さで崩す
試合面で見ると、海斗はかなり明確に勝ち筋を語っている。
ONEの事前インタビューで海斗は、グレゴリアンの前進圧力は最大の強みである一方、同時に弱点にもなり得ると分析した。
そのうえで、真ん中でぶつかって倒せる、自分のスピードと鋭さには相手がついてこられない、2Rか3Rで止めたいという趣旨まで口にしている。
さらに、自身はこれまでノックダウンもKO負けもないことを強みとして挙げ、強い相手に勝つことだけを見ているとも語った。
かなり強気だが、単なる煽りではなく、グレゴリアンの圧をどう割るかまで言語化しているのが海斗らしい。
どちらが次へ進むかを決める分岐点
だからこの試合は、ありがちな“海外強豪vs日本人エース”では終わらない。
グレゴリアンが勝てば、タイトル挑戦戦線に残る世界の門番としての価値をあらためて証明することになる。
海斗が勝てば、ONEデビュー戦の敗戦を引きずるのではなく、それを越えて一気に世界戦線へ踏み込む大きな一勝になる。
マラット・グレゴリアン vs 海斗は、去年流れた因縁の再戦ではある。
だが本質はそこではない。
グレゴリアンにとっては世界王座戦線へ戻るための通過点であり、海斗にとっては“ONEでも強い”を証明するための勝負だ。
有明アリーナで行われるこの一戦は、未完の続きであると同時に、日本キック界のトップが世界基準に踏み込めるかを問う試合でもある。
大会情報
- 大会名:ONE SAMURAI 1
- 日時:2026年4月29日(水・祝)
- 会場:有明アリーナ(東京)
- ライブ配信:U-NEXT(独占)
- 地上波:フジテレビ系列 22:00〜23:24(ディレイ放送)
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