越智晴雄、DEEP132で引退式 “小さな巨人”を仲間たちが送り出す

2026年7月5日、東京・ニューピアホールで開催される「宗明建設Presents DEEP 132 IMPACT」で、越智晴雄の引退式とエキシビションマッチが行われる。
形式は2分3ラウンドのグラップリングルール。
相手としてケージに立つのは、斎藤裕、石渡伸太郎、上田将勝の3人だ。
いずれも日本MMAを語るうえで欠かせない存在であり、越智と深い交流を持つ選手たちである。
3人はジムCAVEでの練習仲間で、越智のセコンドも務めてきた間柄だ。
同じ時間を過ごしてきた仲間たちがケージの中で送り出す。
DEEPストロー級を象徴した“小さな巨人”
越智晴雄は、国内ストロー級を語るうえで外せない選手だ。
DEEPストロー級のベルトを2度巻き、長く軽量級のトップ戦線で戦い続けてきた。
前に出る圧力、打撃の強さ、勝負どころで極めるフロントチョーク、そして何よりも試合を諦めないしぶとさで、強豪たちと渡り合ってきた。
“小さな巨人”という呼び名は、単なるニックネームではない。
軽量級の中でも小柄な体で、体格で上回る相手や、勢いのある若手と戦い、結果を残してきた越智の生き方そのものを表している。
DEEPではストロー級王者として存在感を示し、RIZINでも強烈なインパクトを残した。
地元四国で行われたRIZIN.50では、中務修良をフロントチョークで一本に仕留めている。
派手な言葉で自分を大きく見せるタイプではなかったが、ケージやリングに上がれば、越智晴雄はいつも試合で自分の価値を証明してきた。
最後に向き合うのは斎藤裕、石渡伸太郎、上田将勝
今回の引退エキシビションで特別なのは、対戦相手の顔ぶれだ。
斎藤裕、石渡伸太郎、上田将勝。
この3人は、それぞれが日本MMAの一時代を作ってきた選手である。
斎藤はRIZINフェザー級王者として大舞台を経験し、石渡はバンタム級の名勝負を重ねてきた。
上田は修斗、ONE、国内外の舞台で実績を残してきたグラップラーだ。
3人はジムCAVEで越智と練習を共にし、時にはセコンドとして支えた関係でもある。
だからこそ、このエキシビションにはイベント的な豪華さ以上の意味がある。
最後に向き合うのは、ただ話題性のために集められたスター選手ではなく、越智のキャリアを近くで見てきた仲間たちだ。
勝つために向き合う試合ではなく、積み重ねてきた時間を確かめるための2分3ラウンドになる。
後進育成へ向かう次の人生
越智は現在、地元・愛媛で「Little Giant Gym」を開設し、後進の育成にも取り組んでいる。
現役生活を終えることは、格闘技から離れることではない。
越智が積み上げてきた経験は、これから別の形で格闘技界に残っていく。
経験や知識、それらは若い選手にとって大きな財産になる。
越智を見てきたファンにとっても、今回の引退式は寂しさと同時に、感謝を伝える時間にもなる。
DEEP132で、もう一度“小さな巨人”を見届ける
DEEP132には、相本宗輝 vs 山田聖真、神田コウヤ vs ケンシロウ、五明宏人 vs 太田将吾など、今後のDEEPを占うカードが並んでいる。
その中で、越智晴雄の引退式は少し違う意味を持つ。
未来へ向かう選手たちの試合が並ぶ大会で、ひとりの選手が現役生活に区切りをつける。
それは、世代が移っていく瞬間でもある。
越智晴雄が戦ってきた時間があり、その先に今のDEEPがある。
そしてこれからは、次の選手たちがそのケージで新しい物語を作っていく。
2026年7月5日、ニューピアホール。
“小さな巨人”越智晴雄は最後のケージに立つ。
勝敗ではなく、感謝を込めて見届けたい時間だ。

