ホワイトハウス大会、マカチェフ不在の真相

歴史的イベントとして注目を集めるUFCホワイトハウス大会を巡って、試合カード以上に舞台裏の交渉が大きな話題になっている。
発端は、イスラム・マカチェフとイリア・トプリアの対戦が実現しなかった理由をめぐる食い違いだ。
マカチェフは4月上旬、トプリア側が現実的ではない報酬を求めたため交渉が流れたと主張した。
一方でトプリア陣営はこれを否定し、最終局面ではマカチェフ戦は現実的な選択肢ではなかったと説明している。
食い違う時系列
この問題をややこしくしているのは、関係者ごとに語る時系列が違うことだ。
トプリア本人は、当初はホワイトハウス大会でマカチェフと戦う可能性があると聞かされ、その後にマカチェフの負傷を伝えられてジャスティン・ゲイジー戦へ切り替わった、という趣旨の説明をしている。
これに対してマカチェフは、自分は試合を受けたが、翌日にトプリア側の金額要求で交渉が止まったと反論した。
両者とも「自分は逃げていない」と言っている一方で、どの時点で話が消えたのかについては食い違いが残ったままだ。
ダナ・ホワイトの別バージョン
さらに議論を複雑にしているのが、UFCのダナ・ホワイト代表の説明だ。
カード発表後、ホワイトはマカチェフ対トプリアがホワイトハウス大会の正式プランだったという見方を明確に否定した。
ホワイトによれば、当初予定されていた別の試合がPower Slapの夜に土壇場で崩れ、その結果としてトプリアとゲイジーが後からカードに入ったというのがホワイトの説明だ。
加えてホワイトはマカチェフに手の問題があるとも述べており、今回の交渉決裂を「報酬問題だけ」で説明するのは難しい状況だ。
ホワイトハウス大会とは
大会は2026年6月14日にワシントンD.C.のホワイトハウス南庭で開催予定だ。
UFCにとっても異例中の異例となるイベントで、ESPNはホワイトハウス南庭で開催される初のライブ・プロスポーツイベントになる見通しだと伝えている。
アメリカ建国250周年の祝賀、さらにトランプ大統領の80歳の誕生日とも重なるこの日程は、通常のナンバー大会以上に象徴性が強い。
そんな舞台だからこそ、選手側が「ビッグファイトに見合う報酬」を求めるのも自然であり、プロモーション側が興行全体のバランスを重視するのも当然だ。
大会は前に進む、問題は残る
現時点でUFC Freedom 250(通称ホワイトハウス大会)のメインはトプリア対ジャスティン・ゲイジーのライト級王座統一戦で確定している。
大会は前に進んでいる。
ただその裏では、「最大級のカードを実現するには誰にどれだけ払うべきか」という問題が改めて浮かび上がった。
確認できるのは各陣営の食い違う説明とUFC側の否定・補足までだが、この一件はそうした構図を可視化した一例と言えるかもしれない。
歴史的イベントのはずの大会が、舞台裏の交渉をめぐっても注目を集めることになった。
UFC Freedom 250は前に進んでいる。ただ、この騒動が残したものは小さくない。
この記事をシェア


