UFC 329 Countdown公開 マクレガー復帰とホロウェイのリベンジをUFCはどう描いたのか

UFC 329に向けた公式プロモーション映像「UFC 329 Countdown - McGregor vs Holloway 2」が公開された。
中心に置かれているのは、コナー・マクレガー vs マックス・ホロウェイ2だ。
マクレガーにとっては約5年の空白を経て迎える復帰戦であり、ホロウェイにとっては2013年に敗れた相手へのリベンジでもある。
冒頭から、マクレガーの不在を大きなテーマとして扱っている。
2021年、ダスティン・ポワリエとの第3戦でマクレガーは足を負傷し、そこから長期離脱に入った。
映像では、その場面が「UFCに残った大きな空白」として描かれている。
マクレガーが本当に戻ってくるのか。
戻ってきたとして、以前のような存在感を見せられるのか。
その問いに対して、UFCは「7月11日に答えが出る」という形でUFC 329を煽っている。
マクレガーはまだ“マクレガー”なのか
マクレガーのキャリアをかなり丁寧に振り返っている。
ダブリンで育ち、格闘技にのめり込み、UFCに上がる前から自分は王者になると信じていた若者。
そこからフェザー級王者となり、ライト級王座も獲得し、UFC史上初の同時二階級王者になった存在。
映像では、マクレガーがMMAの人気、規模、ファイトマネー、スター像を変えた選手として描かれている。
ただし、過去の栄光だけで終わらせていないところだ。
2021年の足の大怪我。
そこからのリハビリ。
さらに、2024年のUFC 303で予定されていたマイケル・チャンドラー戦も、足指の負傷により実現しなかった。
マクレガーの復帰は、何度も期待されながら実現しなかった。
スターとしてだけでなく、ファイターとしてまだUFCの中心に立てるのか。
映像内のマクレガーは、自信を失っていない。
むしろ、まだ自分はプライムにいると語り、再び大きな夜を作るつもりでいる。
UFCはマクレガー自身の強気な言葉を使いながら、マクレガー復帰戦を「過去のスターの復帰」ではなく、「まだ終わっていないことを証明する試合」として見せている。
ホロウェイは“昔負けた相手”ではない
一方で、ホロウェイの描き方も重要だ。
2013年、マクレガーとホロウェイは若手同士として初対戦した。
当時のマクレガーはUFCでスターになり始めた段階で、ホロウェイもまだ21歳の若い選手だった。
ホロウェイは映像内で、当時の試合について振り返っている。
マクレガーの入場時点で会場の空気が違っていたこと、まだUFCで1試合しかしていない段階でも異常な注目を集めていたこと。
そして試合では、自分が思うように動けず、マクレガーに多くの場面で上回られたことも認めている。
だが、そこからのホロウェイは別の物語を作った。
マクレガー戦で敗れたあと、ホロウェイは、まだ自分には取るべきベルトがあるという意識でキャリアを進めていった。
そこからフェザー級で勝ち続け、アンソニー・ペティスを破り、ジョゼ・アルドを倒してUFCフェザー級王者になった。
さらに、ジャスティン・ゲイジー戦ではBMF王座を獲得した。
試合終了直前に打ち合いを選び、劇的なKOで勝利した場面は、ホロウェイのキャリアを象徴する名場面になっている。
ただし、ホロウェイも順風満帆の状態でこの再戦に来るわけではない。
直近ではチャールズ・オリベイラとのBMF王座戦に敗れており、今回のUFC 329はそこからの立て直しをかけた一戦でもある。
13年前に敗れた若手が、UFC史に残る選手になって戻ってきた。
170ポンド戦という新しい要素
今回の試合は、ウェルター級にあたる170ポンドで行われる。
これも重要なポイントだ。
ホロウェイはフェザー級で長く戦い、ライト級でも大きな試合を経験してきた。
ただ、170ポンドでの試合は新しい挑戦になる。
Countdownでは、ホロウェイ陣営が体づくりに取り組む様子も映されている。
一方のマクレガーは、過去にもウェルター級で戦った経験がある。
階級が上がることで、パワー、耐久力、スピードのバランスがどう変わるのか。
マクレガーにとっては復帰戦としての舞台。
ホロウェイにとっては新しい階級での挑戦。
打撃戦への期待
終盤では、両陣営が試合展開について語っている。
大きく打ち出されているのは、やはり打撃戦への期待だ。
マクレガーは、自分の精度、パワー、距離感に強い自信を持っている。
ホロウェイ陣営も、マクレガーの左、プレッシャー、仕留める力を警戒している。
ただし、ホロウェイ側には今の自分たちにはより多くの武器があるという自信がある。
2013年のホロウェイではない。
長年のタイトル戦、メインイベント、激闘を経てきたホロウェイだ。
ホロウェイ本人も、自分らしく前に出て、手数とスタミナで試合を作るつもりでいる。
マクレガーの一撃か。
ホロウェイの手数と耐久力か。
このわかりやすい構図が、UFC 329のメインイベントをより見やすくしている。
UFC 329は復帰戦であり、リベンジ戦でもある
今回のCountdownを見ると、UFCがこの試合をかなり丁寧に物語化していることがわかる。
マクレガーの復帰だけではない。
ホロウェイのリベンジだけでもない。
2013年に交わった二人が、それぞれまったく違うキャリアを歩み、13年後にもう一度向かい合う。
しかも舞台はUFC 329のメインイベント。
階級は170ポンド。
マクレガーにとっては長期離脱からの復帰戦であり、ホロウェイにとっては過去の敗北を塗り替えるチャンスでもある。
今のMMAでこの二人がぶつかった時、どんな試合になるのか。
UFC 329は、試合前からすでに大きな物語を持っている。
