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UFCは本当にアイポークを減らせるのか 再燃したグローブ改良問題

EasyFight運営
UFCは本当にアイポークを減らせるのか 再燃したグローブ改良問題

UFCのグローブ問題が、再び動き出すかもしれない。

きっかけは、名コーチとして知られるトレバー・ウィットマンの発言だった。
ウィットマンによれば、自身が開発したMMAグローブについて、UFC幹部のハンター・キャンベルから数週間前に連絡があり、再び協議を始めたいという話があったという。

UFCは2024年6月のUFC 302で新グローブを正式導入したが、約半年後の同年11月のUFC 309で旧型グローブへ戻している。
導入当初から評価は割れ、最終的に不満が多く定着しなかった。
つまり今回の動きは、単なる新商品導入の話ではない。
長年続いてきたアイポーク問題を、UFCが再び議題に乗せるのかという話でもある。

アイポークはなぜ起きるのか

アイポークとは、相手の目に指が接触する、または入ってしまう反則行為を指す。

MMAでは、距離を測るために前手を伸ばす場面が多い。
打撃、組み技、タックルへの対応が同時に存在する競技だからこそ、選手は手を開いた状態で距離を測ったり、相手の前進を止めたりする。
その中で、指先が相手の目に入る事故が起きる。

ルール上は当然禁止されているが、偶発的に起きることも多い。
試合の流れを壊すだけでなく、選手の視力やキャリアに関わる重大な問題でもある。

UFCもこの問題を放置していたわけではない。
2024年には、アイポークや手の負傷を減らすことを目的に新グローブを導入した。
新型では、縫い目の位置、パッド、リストバンド部分、指穴などが見直され、指をより自然な位置に保ちやすくする狙いがあった。

つまり、競技の安全性だけでなく、試合のテンポを守る意味でもグローブ改良は重要だった。

新グローブはなぜ定着しなかったのか

しかし、その新グローブは結果的に定着しなかった。

導入当初の評価は割れていた。
ダスティン・ポワリエのように「拳を作りやすい」と好意的に語った選手もいれば、イスラム・マハチェフのように耐久性へ否定的な選手もいた。
さらにファンの間では、グローブ変更後にKOが減ったのではないかという見方も広がった。

ただし、この点についてはサンプル数の問題もあり、グローブだけが原因だと断定するのは難しい。
それでも、導入から半年ほどでUFCは旧型グローブへ戻した。
安全性を高めるための改革だったが、実際には選手の使用感や試合内容への影響という別の課題にぶつかった。

そこで再び名前が出てきたのが、ウィットマンのグローブだ。

ウィットマンのグローブは何が違うのか

ウィットマンの設計は、指が前方に伸び切るのではなく、自然に拳を作る方向へ促すことを狙っている。

MMAでアイポークが起きやすい理由の一つは、手を開いたまま相手との距離を測る動きにある。
グローブ自体が指を前へ出しやすい形であれば、反則のリスクは高まる。
逆に、指が自然に曲がる形であれば、少なくとも偶発的なアイポークは減らせる可能性がある。

ウィットマンのグローブが評価されているのは、まさにこの部分だ。

ただし、問題は技術だけではない。

過去の交渉がまとまらなかった背景には、金額や権利条件をめぐる問題があったとされる。
ダナ・ホワイトはかつて「グローブに約1億ドルを求められた」と語ったこともある。
UFCほどの巨大団体になれば、グローブの採用は単に「良い道具を使う」という話では済まない。

独占使用、製造、供給、ブランド、ライセンス、スポンサー、選手への配布、各地コミッションとの調整まで絡む。
つまり、良い設計かどうかだけでなく、権利、製造、供給、スポンサー契約まで含めて成立しなければ導入は難しい。

道具だけでは解決しない問題

それでも、この問題は避けて通れない。

MMAは、打撃と組み技が同時に存在する競技だ。
ボクシングのように拳を完全に覆うわけにはいかない。
柔術やレスリングの攻防がある以上、指は使えなければならない。
一方で、指が自由すぎればアイポークの危険が残る。

つまりMMAグローブは、パンチの威力、組み技の自由度、手の保護、相手の安全性という複数の要素を同時に満たさなければならない。
だからこそ、MMAグローブの問題は単なる防具改良では終わらない。

今回の再交渉が本当にまとまるかは、まだ分からない。

ただ、UFCが一度新グローブを導入し、それが定着せず旧型へ戻し、それでも再び別の設計案に目を向けているのであれば、少なくとも問題意識は残っている。

アイポークは「たまたま起きた事故」として片づけられがちだが、同じ種類の事故が何度も起きるなら、それは選手個人の注意だけでなく、道具やルール運用を含めた構造の問題でもある。
選手の注意、レフェリーの警告、反則への減点だけでは限界がある。

UFCが変えるべきもの

UFCが本当に変えるべきなのは、グローブそのものだけではない。

アイポークが起きにくい道具を採用し、反則への基準を明確にし、偶発的であっても危険な行為には一定のペナルティを与える。
その三つがそろって初めて、試合の安全性は大きく前に進む。

ウィットマンのグローブがその答えになるかは、まだ結論を出せない。

だが、UFCがこの問題を再びテーブルに乗せたこと自体には意味がある。
アイポークで試合が止まるたびに、ファンは消化不良を感じ、選手はキャリアを危険にさらす。

MMAという競技をより完成度の高いスポーツにしていくために、グローブ改良は避けて通れないテーマになっている。

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