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PFL MENAとは何か 中東・北アフリカの新星が世界を目指す地域リーグを解説

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PFL MENAとは何か 中東・北アフリカの新星が世界を目指す地域リーグを解説

近年、PFLの大会予定や試合結果を見ると、「PFL MENA」という名前を目にする機会が増えてきた。

しかし、日本の格闘技ファンにとっては、通常のPFLと何が違うのか、どの選手が出場し、どのような仕組みで王者を決めるのか分かりにくい大会でもある。

PFL MENAは、中東・北アフリカ地域の選手を対象とするPFLの国際地域リーグだ。

「MENA」は「Middle East and North Africa」の略称で、中東・北アフリカ地域を意味する。
サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、ヨルダン、イラク、モロッコ、アルジェリア、チュニジア、エジプトなど、広い地域の選手が参戦している。

単発の国際大会ではなく、複数大会を通して各階級の優勝者を決めるトーナメントであることが最大の特徴だ。

PFLが展開する地域リーグ

PFL MENAは2024年にスタートした。

PFLは米国を中心とした世界規模の大会だけでなく、PFL Europe、PFL Africa、PFL MENAといった地域リーグを展開している。

各地域でまだ世界的に知られていない選手を発掘し、継続的に試合を組みながらスターへ育てることが狙いだ。

日本の感覚に置き換えるなら、地方興行というより、中東・北アフリカ地域の王者を決めるトーナメントに近い。

大会規模や選手層はPFLの世界タイトル戦と同じではないが、ここで結果を残した選手には、PFLの世界規模の大会へ進む可能性が開かれる。

中東・北アフリカでは以前から複数のMMA団体が活動してきたが、地域全体を対象とするPFLブランドの年間トーナメントが新たに加わった。

PFL MENAは、その地域に存在する選手を一つの大会へ集め、国を背負うライバル関係や新しいスターを作ろうとしている。

勝ち抜き方式でシーズン王者を決める

PFL MENAの中心となるのは、選手が1回戦、準決勝、決勝を勝ち抜くシングルエリミネーション方式のトーナメントだ。

勝ち上がった選手が、そのシーズンのPFL MENA王者となる。

敗れれば原則としてそのシーズンの優勝争いから脱落するため、リーグ戦のように敗戦後も勝ち点で挽回する仕組みではない。

2025年シーズンは各階級8人によるトーナメントで、1回戦2大会、準決勝1大会、決勝1大会の全4大会で構成された。
決勝は5ラウンドで行われ、各階級の優勝者に王座ベルトと10万ドルの賞金が贈られた。

2026年は大会の3年目にあたり、フェザー級、ライト級、ウェルター級のトーナメントが発表されている。

ここで注意したいのが、「トーナメント戦」と「ショーケース戦」の違いだ。

トーナメント戦はシーズン王座へつながる公式の勝ち上がり戦。
ショーケース戦は、注目選手や若手を起用する通常試合であり、勝利してもそのまま準決勝へ進むわけではない。

PFL MENAでは、トーナメント戦と併せてアマチュア選手やプロデビュー直後の選手によるショーケースが多く組まれている。

現在の実力者を決める大会であると同時に、数年後の主力選手を育てる場でもある。

2026年はドバイで開幕

2026年シーズンは、5月24日にアラブ首長国連邦・ドバイのコカ・コーラ・アリーナで開幕した。

PFL MENAがドバイで大会を開催するのは初めてで、11カ国から選手が集結。
フェザー級とライト級のトーナメント1回戦を中心に試合が組まれた。

メインイベントでは、チュニジアのメディ・サーディが、地元UAEのモハマド・ヤヒヤにスプリット判定勝ち。

ライト級では、アルジェリアのイリース・ジルーンが、2025年王者サラ・エディン・ハムリを第1ラウンドTKOで破った。

前年王者が初戦で敗れたことで、PFL MENAが実績だけでは勝ち進めない、敗れれば原則として脱落するシングルエリミネーションの厳しさを示した。

バーレーンのハムザ・クーヘジもユナニマス判定勝ち。
UAEのザムザム・アル・ハンマディは、女子ストロー級のアマチュア戦によるPFL MENAデビュー戦で判定勝ちを収めた。

ライト級ではイリース・ジルーン、モハマド・ファーミ、アハメド・エル・シシー、バーゼル・シャラーンが準決勝へ進出。
このうちモハマド・ファーミは、対戦予定だったアッセム・ガネムの負傷欠場により不戦で勝ち上がった。

次回ジェッダ大会の主役はハッタン・アルサイフ

次回大会は現地時間6月19日(日本時間20日午前1時)、サウジアラビア・ジェッダのキング・アブドゥッラー・スポーツシティ・インドアアリーナで開催される。

最も注目されているのは、サウジアラビアのハッタン・アルサイフだ。

アルサイフは、世界的なMMA団体と契約した初のサウジアラビア人女性選手として注目されてきた。
アマチュアでは4戦全勝、すべてフィニッシュ勝利を記録し、今回がプロデビュー戦となる。

メインイベントでアルジェリアのダニア・ウアハシと110ポンド契約で対戦する。

この試合はトーナメントではなくショーケースだが、地元スターのプロ転向として、PFL MENAの成長戦略を象徴するカードになっている。

ほかにも、プロ3戦全勝のサウジアラビア人フライ級選手マリク・バサヘルが登場する。

トーナメントでは、モロッコ、エジプト、アルジェリア、イラク、パレスチナなどの選手によるフェザー級とウェルター級の1回戦が行われる。

特にウェルター級では、2025年の決勝まで進んだモロッコのバドレディン・ディアニと、7戦全勝のエジプト人ユセフ・アデルの対戦が注目カードとなる。

注目すべきは「知らない強豪」を発見できること

PFL MENAには、UFCやRIZINのように広く知られている選手は多くない。

そのため、名前だけを見ても興味を持ちにくいのは当然だろう。

しかし、この知名度の低さこそが大会を見る面白さでもある。

中東・北アフリカには、レスリング、柔道、ブラジリアン柔術、キックボクシングなど、異なる競技背景を持つ選手が存在する。

まだキャリアの浅い選手が多いため、完成度には差がある。

一方で、数年後に世界のトップ戦線へ進む可能性を持つ選手を、無名の段階から追える大会でもある。

前年王者が初戦で敗れる一方、アマチュア選手も大規模会場の注目カードに起用される。
既存の序列より、地域全体の成長とスター発掘を優先している点がPFL MENAの特徴だ。

日本ではU-NEXTで視聴可能

日本では、PFL MENAをU-NEXTで視聴できる。

PFLとU-NEXTは2026年に複数年契約を更新しており、U-NEXTは日本国内でPFL全大会を見放題ライブ配信している。
世界大会だけでなく、PFL MENAとPFL Africaも対象に含まれている。

ジェッダ大会も日本時間6月20日午前1時から見放題ライブ配信され、実況・解説は英語版のみ、見逃し配信も予定されている。

日本のファンにとってPFL MENAは、すでに有名な世界王者を見る大会ではない。

まだ知られていない地域の実力者が、トーナメントを勝ち上がり、世界へ進もうとする過程を見る大会だ。

まずは、シーズン王座を争う「トーナメント戦」と、将来のスター候補を試す「ショーケース戦」を分けて見ると理解しやすい。

PFLが中東・北アフリカからどのような選手を発掘し、その王者たちを世界規模の舞台へどうつなげていくのか。

PFL MENAの本当の評価は、ここから生まれた選手が世界のトップレベルで結果を残せるかによって決まることになる。

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