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4.29有明、与座優貴が"2冠統一王者"ハガティーに挑む

tyamat
4.29有明、与座優貴が"2冠統一王者"ハガティーに挑む

"2冠統一王者"の前に、日本の空手家が立つ

2026年4月29日(水・祝)、東京・有明アリーナ。
その日のリングには、ONEバンタム級のキックボクシング世界王座が置かれる。
ベルトを巻くのは、英国のジョナサン・ハガティー。
そしてベルトに手を伸ばすのは、かつて極真の世界大会を制し、K-1の頂にも立った日本人——与座優貴だ。

キャリアの軌道が、これほど違う二人の対戦は珍しい。
ムエタイ漬けで育ち、世界最高峰の打撃団体で2冠統一を果たした男。
素手の空手で頂点を知り、グローブを嵌めて日本のリングを制圧した男。
"それぞれの正解"がぶつかる夜になる。

王者ハガティーは、想像以上にやっかいだ

ジョナサン・ハガティー(英国/Knowlesy Academy/Team Underground)のキャリアは、ONEの打撃史そのものと言っていい。
7歳でムエタイを始め、12歳でアマチュアデビュー。
2019年1月にONEに参戦するや、わずか2戦目でムエタイ界のレジェンド、サムエー・ガイヤーンハーダオを判定で破ってONEフライ級ムエタイ王者に輝いた。

その後、ロッタン・ジットムアンノン相手に2度敗れて一度は王座を失う。
しかし彼の凄みは、敗北から学び直し、階級を上げてもう一段"怪物化"したところにある。
2023年4月、バンタム級に上げたハガティーはノンオー・ハマを豪快にKO。
さらに同年11月、当時の王者ファブリシオ・アンドラージをキックボクシング戦でもKOに仕留め、"ムエタイ&キックボクシングの2冠統一王者"となった。

つまり今回の一戦は、与座にとって「階級王者」ではなく「階級の時代を作っている男」への挑戦になる。
この認識を持てるかどうかで、試合の見え方は大きく変わる。

挑戦者・与座優貴の異色ルート

与座優貴(team VASILEUS)は、ごく普通のキックボクサーではない。
そもそものルーツは極真空手。
2017年、極真会館・第6回全世界ウェイト制空手道選手権大会で軽量級を制した男だ。
素手素足で世界大会を取った経験は、グローブ競技の選手には絶対に得られない。

2019年3月にキックボクシングへ本格転向。
4年後の2023年3月、朝久泰央との再戦を制し、第6代K-1 WORLD GPライト級王者に就いた。
そして2025年5月、ONE Friday Fights 109で海外初陣を飾り、今度はONE本戦に名乗りを上げた。
空手→K-1→ONEという、日本人キック選手の中でも極めて珍しい"3段跳び"のキャリアだ。

特筆すべきは、与座がK-1ライト級(62.5kg)王者でありながら、今回のONEバンタム級(約65.8kg)へと階級を上げて挑む点。
"勝ち慣れた階級"を捨て、相手の本丸に乗り込むというルートを自ら選んでいる。
キャリアのリスク設計としては、ほぼ最大値だ。

"過小評価"という言葉の応酬

この試合のテンションを象徴するのが、ハガティーの公開コメントだ。

「彼は私を過小評価している。
なぜ私が王者なのか、はっきり見せる」

「射程距離を詰めるのが大好きな優貴のような相手には、日本で得意技の威力を思い知らせてやる」

2冠統一王者がここまで感情を乗せてくるのは珍しい。
裏を返せば、与座のスタイル——前足で距離を潰し、空手由来のステップインから叩き込むショートレンジの打撃——は、ハガティーにとって"想定より厄介な絵"に映っているということだ。

ハガティーの武器は、テクニカルな膝・肘、そして試合を一撃で決めるクリーンヒット能力。
だがその射程は、与座が"内側から潰す"ことで機能不全に陥る可能性がある。
ハガティーが距離を作り切れば完勝、与座が距離を殺せば大番狂わせ。
振れ幅の大きいマッチアップだ。

なぜこの試合が面白いのか

この一戦が単なる世界戦以上に語りがいを持つ理由は、3つの文脈が絡んでいるからだ。

第一に、日本のキック/格闘技ファンの心情。
那須川天心がボクシングへ移り、武尊もONEへと環境を変えた現在、「日本人がキックの世界最高峰で挑む光景」は以前より確実に少なくなっている。
与座が勝てば、その空白を埋める一人の名前が立ち上がる。
負ければ、世界との距離が可視化される。
どちらの結果も、日本のキックシーンの"現在地"を残す。

第二に、与座のキャリア選択の重み。
K-1ライト級王者のまま国内で防衛を重ねる道もあった中で、彼はあえて階級を上げてONEへ移った。
"国内王者"から"世界王者"へ、肩書きの重さを入れ替えに行く選択。
勝っても負けても、この判断自体が後続のキック選手の進路地図を塗り替える。

第三に、ハガティーという王者のキャラクター。
2冠統一を果たしたにも関わらず、彼の実像は日本のライト層にはまだ十分に届いていない。
この試合が日本開催・U-NEXT配信で多くの目に触れることで、「ジョナサン・ハガティーという怪物」が遅れて日本の格闘技ファンに発見されていく。
大会全体の物語としても、ここは重要な種まきになる。

注目すべき3つのポイント

(1) 与座が1Rに"距離の殺し合い"で主導権を取れるか。
序盤で押し込めば、ラウンドが進むにつれて彼の空手的プレッシャーは効いてくる。
逆に距離を作られ、外からの膝・肘を拾われれば、ハガティーの得意技の数だけ減点が増える。

(2) ハガティーのKO率をどう読むか。
バンタム級以降の彼の勝利はフィニッシュ偏重。
与座にとっては「判定までもつれたら勝機あり」という前提を、何Rまで持ちこたえて作れるかがテーマになる。

(3) 試合後の"次"が何になるか。
与座が勝てばONEのバンタム級2冠(ムエタイ+キック)を日本人が握るという地殻変動。
ハガティーが勝てば、日本で防衛戦を行った価値ある王者として、ONEの日本戦略の看板がより強固になる。

大会情報

大会名:ONE SAMURAI 1。
日時:2026年4月29日(水・祝)。
会場:東京・有明アリーナ。
配信:U-NEXTによる独占ライブ配信。
注目試合:ジョナサン・ハガティー vs 与座優貴(ONEバンタム級キックボクシング世界タイトルマッチ/3分5R)。

空手で世界を知った男が、ムエタイで世界を作った男に挑む。
キャリアの出発地点が違う二人が、同じベルトの前で交差する——こういう夜は、そう何度もない。

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