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元PANCRASE王者アキラが現役引退へ "腹筋ゴリラ"が歩んだ泥臭くも熱い格闘技人生

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元PANCRASE王者アキラが現役引退へ "腹筋ゴリラ"が歩んだ泥臭くも熱い格闘技人生

PANCRASE公式が、5月31日に開催されるPANCRASE 362(立川ステージガーデン)にて、第8代ライト級キング・オブ・パンクラシストのアキラ選手の引退セレモニーを開催することを発表した。
アキラといえば、強靭なフィジカル、前に出る圧力、そして"腹筋ゴリラ"の愛称で知られてきたファイターだ。
PANCRASEで王座を巻き、RIZINの大舞台にも立ち、石渡伸太郎のYouTubeでは"腹パン企画"などを通じて、試合とはまた違う形でもファンに親しまれた。

ただしアキラという選手の魅力は、キャラクター性だけでは語れない。
アキラのキャリアは、一直線に頂点へ向かったものではない。
むしろ、何度も壁にぶつかり、遠回りをしながら、それでも上を目指し続けたキャリアだった。

五味隆典との出会い、格闘技の原点

1987年生まれのアキラ(本名・杉本章)は長野県出身。
格闘技との出会いは、五味隆典のジムだった。

当時の五味は、PRIDEを代表するスーパースターの一人。
その環境の中で、トップ選手の空気に触れ、MMAの世界へ本格的に踏み込んでいった。
アキラにとって五味は、格闘技の世界へ入るきっかけを与えた重要な存在だった。

2010年、アキラは修斗でプロデビューする。
同世代には堀口恭司、佐々木憂流迦といった、後に世界へ羽ばたく選手たちもいた。
彼らが一気に頭角を現していく一方で、アキラは簡単には抜け出せない時間を過ごすことになる。
それでも一歩一歩歩みを止めなかった。

PANCRASEで積み上げた実績

2013年からはPANCRASEへ戦いの場を移す。
そこからアキラは、国内ライト級戦線の中で少しずつ存在感を増していった。
長岡弘樹、徳留一樹、郷野聡寛、北岡悟、ヒカルド・チルロニ。
実力者やベテランとの試合を重ねながら、勝利も敗北も経験した。

特に大きかったのは、ヒカルド・チルロニ戦だ。
Bellatorでも戦った強豪を相手に勝利をつかんだことで、アキラは大きな自信を得た。

しかし、その後も順風満帆だったわけではない。
2019年にはONE Japan Series: Road to Centuryで岡野裕城にTKO負けを喫し、その後も勝ちきれない時期が続いた。
階級変更も経験し、キャリアの方向性を模索する時間もあった。
そんな苦しい時期に出会ったのが、石渡伸太郎だった。

石渡伸太郎のもとで変わった

アキラのキャリアを語るうえで、石渡の存在は外せない。
石渡のもとで本格的に指導を受けるようになってから、アキラの戦い方は変わっていった。
それまでの「押し込んでコントロールする」スタイルから、相手を倒し切る怖さを持つ闘争心あふれるファイターへ。
石渡の指導のもとで、フィジカルを押し出すだけでなく、試合全体を組み立てる意識が強くなっていった。
もともと努力家の気質で、分析、対策、反復練習。
その積み重ねが、試合内容に表れ始めたのだろう。

RIZINで広がった存在感

そして2021年、アキラはRIZINに初参戦する。
RIZIN.31で対戦したのは阿部大治。
しかも、阿部のセコンドにはかつての師匠・五味隆典がついていた。
アキラにとっては、ただのRIZINデビュー戦ではなかった。
自分を格闘技の世界へ導いてくれた存在の前で、今の自分を見せる試合だった。

結果は、2ラウンドのノースサウスチョークで一本勝ち。
この勝利で、アキラの名前はRIZINファンにも強く届くことになった。

続くRIZIN TRIGGER 2ndでは、ボンサイ柔術の鈴木琢仁に判定勝利。
強烈なフィジカルと組みの強さを武器に、RIZINファンにも名前を広げていった。

一方で、RIZIN.34では大原樹理にスプリット判定で敗戦。
さらに超RIZIN.2では、トフィック・ムサエフという世界レベルの強豪に挑み、KO負けを喫した。

ムサエフ戦は、アキラのタフさとキャラクターが改めて伝わった試合でもあった。
最後はムサエフの左フックを受けてダウンし、追撃の鉄槌でレフェリーストップとなった。
試合後の動画では、ムサエフの強烈な蹴りを受けたにもかかわらず、アキラが平然とした様子を見せる場面もあった、、、おかしい笑

このエピソードこそ、アキラという選手の面白さをよく表している。
ただ我慢強いだけではない。
ただフィジカルが強いだけでもない。
本当に効いていないのか、効いていてもそう見せないのか、その境目が分からない異常なタフさがある。

ムサエフに敗れたこと自体は、キャリアの中で大きな悔しさだったはずだ。
それでも、その敗戦の中にすら、アキラらしさは残っていた。

PANCRASEライト級王者への道

それでも、アキラのキャリアの中心にあったのはPANCRASEだった。
2022年9月、PANCRASE 329。
アキラは松本光史とのライト級暫定王者決定戦に臨む。
相手は元修斗世界王者。
しかも、松本とは修斗時代から交わり、PANCRASEでも再び拳を交えた因縁の相手だった。
3ラウンド、左のスーパーマンパンチで松本を倒すと、追撃の鉄槌でストップを呼び込み、TKO勝利を収めた。
ついに暫定ライト級キング・オブ・パンクラシストとなった。

長い遠回りの末に、ようやく形として残るベルトを手にした瞬間だった。

そして2023年4月、PANCRASE 333。
正規王者・久米鷹介との王座統一戦を迎える。

久米は、長くPANCRASEライト級を背負ってきた王者であり、国内ライト級を語るうえで欠かせない存在だった。
その久米を相手に、アキラは5ラウンドを戦い抜き、スプリット判定で勝利。
第8代ライト級キング・オブ・パンクラシストとなった。

この勝利は、アキラのキャリアの到達点だった。
五味隆典のジムで格闘技を始め、修斗でプロになり、PANCRASEで壁にぶつかり、石渡伸太郎のもとで変わり、RIZINで名前を広げ、そしてPANCRASEのベルトを巻いた。

アキラは、才能だけで一気に上がってきた選手ではない。
何度も折れそうになりながら、身体を作り、練習を積み、泥臭く前に進んできた選手だった。
だからこそ、王座戴冠には重みがあった。

その後、2024年3月のPANCRASE 341では、雑賀"ヤン坊"達也を相手に初防衛戦を行った。
結果は1ラウンド、ハイキックによるKO負け。
王座から陥落。

王者としての時間は長くはなかった。
だが、アキラがPANCRASEライト級の頂点に立った事実は消えない。

"腹筋ゴリラ"として愛された存在

また、アキラはリングやケージの中だけでなく、石渡伸太郎のYouTubeでも強烈な存在感を残した。
特に"腹パンシリーズ"では、鍛え上げた腹筋に打撃を受けても耐える姿で話題になった。
バナナを食べ、ゴリラキャラを全開にしながらも、どこか真面目で不器用な人柄が伝わる。
格闘技ファンの中には、試合より先にYouTubeでアキラを知った人も少なくないだろう。

だが、それは単なるネタではなかった。
試合で本当に強いからこそ、あのキャラクターが成立していた。

ムサエフの強烈な蹴りを受けてなお平然としていたタフネス。
腹パン企画で見せた異常な頑丈さ。
そして、不器用で憎めない愛される人柄。

アキラは、強くて、真面目で、少し不器用で、妙に愛される。
国内MMAの中でも、かなり独特な存在感を持った選手だった。

アキラ選手、お疲れさまでした

引退という言葉には、寂しさがある。
PANCRASEでも、RIZINでも、もう一度ケージに立つ姿を期待したファンは少なくないはずだ。

しかし、アキラのキャリアを振り返ると、彼は十分に戦い走り抜いた。
五味隆典の背中を追い、石渡伸太郎のもとで磨かれ、PANCRASEのベルトにたどり着いた。
RIZINの大舞台にも立ち、国内外の強豪と拳を交えた。

勝っても、負けても、どこか人間臭い。
完璧ではないからこそ応援したくなる。
泥臭く積み上げた先に、ベルトをつかんだ。

それがアキラというファイターだった。

"腹筋ゴリラ"の現役生活は、国内MMAに確かな足跡を残した。
RIZINのケージで存在感を示した男として。
そしてPANCRASEライト級の頂点に立った男として。

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