ドリカス・デュ・プレシ対カマル・ウスマンをスタッツで分析 攻撃量と試合管理能力がぶつかる元王者対決

現地時間7月18日、米国オクラホマ州オクラホマシティのペイコム・センターで開催される「UFC Fight Night: Du Plessis vs. Usman」のメインイベントで、ドリカス・デュ・プレシ(Dricus Du Plessis)とカマル・ウスマン(Kamaru Usman)がミドル級で対戦する。
元UFCミドル級王者デュ・プレシと、元UFCウェルター級王者ウスマンによる元王者同士の一戦だ。
両者のスタッツを比較すると、デュ・プレシは攻撃量とフィニッシュへの圧力、ウスマンは被弾を抑える能力とテイクダウン防御で優位に立っている。
数字からは、激しい展開を作るデュ・プレシと、試合を整理しながら支配するウスマンという対照的な構図が見えてくる。
攻撃量ではデュ・プレシ、打撃収支ではウスマン
両者の打撃で最初に目につくのが、1分あたりの有効打数だ。
スタッツ | デュ・プレシ | ウスマン |
|---|---|---|
1分あたりの有効打 | 5.18発 | 4.16発 |
1分あたりの被有効打 | 4.33発 | 2.67発 |
有効打命中率 | 48.8% | 51.9% |
打撃防御率 | 53.0% | 55.2% |
15分あたりのノックダウン | 0.40回 | 0.44回 |
デュ・プレシは1分あたり5.18発の有効打を当てており、ウスマンを約1.01発上回っている。
試合中に攻撃を止めず、相手へ継続的に圧力をかけるスタイルが数字にも表れている。
一方、被有効打はデュ・プレシの4.33発に対して、ウスマンは2.67発。
ウスマンはデュ・プレシより1分あたり約1.66発も被弾が少ない。
1分あたりの有効打から被有効打を単純に差し引くと、デュ・プレシはプラス0.85発、ウスマンはプラス1.50発となる。
攻撃量そのものではデュ・プレシが上だが、攻撃と被弾の収支ではウスマンが優れている。
有効打命中率もウスマンが51.9%、デュ・プレシが48.8%。
打撃防御率もウスマンが55.2%、デュ・プレシが53.0%と、いずれもウスマンがわずかに上回る。
興味深いのは、15分あたりのノックダウン数にほとんど差がないことだ。
デュ・プレシが0.40回、ウスマンが0.44回となっており、スタッツ上ではウスマンの方がわずかに高い。
デュ・プレシの強みは一発のノックダウン頻度というより、攻撃量を落とさず、相手を崩れる展開へ引き込む点にあると考えられる。
デュ・プレシは距離、ウスマンは組みの展開から打撃を当てる
有効打を当てたポジションの割合にも、両者の違いが表れている。
有効打を当てた位置 | デュ・プレシ | ウスマン |
|---|---|---|
スタンドの距離がある場面 | 82.5% | 57.3% |
クリンチ | 7.9% | 16.9% |
グラウンド | 9.6% | 25.8% |
デュ・プレシは有効打の82.5%を、互いに距離があるスタンドの場面で記録している。
クリンチとグラウンドを合わせても17.5%にとどまり、打撃の大部分をスタンドで当ててきた。
対するウスマンは、スタンドの距離がある場面での有効打が57.3%。
クリンチが16.9%、グラウンドが25.8%となっており、両者を合わせると42.7%に達する。
ウスマンは離れた距離だけで勝負するのではなく、ケージ際のクリンチやテイクダウン後のトップポジションからも打撃を重ねている。
デュ・プレシが得意とする距離で攻撃量を増やせるか。
それともウスマンが距離を潰し、クリンチとグラウンドの比率を高められるかが、試合の大きな分岐点になる。
最大の差は34.8%対89.8%のテイクダウン防御率
両者のスタッツで最も大きな差があるのは、テイクダウン防御率だ。
グラップリングスタッツ | デュ・プレシ | ウスマン |
|---|---|---|
テイクダウン成功率 | 51.2% | 44.1% |
15分あたりのテイクダウン | 2.22回 | 2.79回 |
テイクダウン防御率 | 34.8% | 89.8% |
15分あたりの一本試行 | 0.71回 | 0.09回 |
ウスマンはキャリアを通じて49回のテイクダウンを仕掛けられ、許したのは5回。
テイクダウン防御率は89.8%に達している。
一方、デュ・プレシは23回のテイクダウンを仕掛けられ、15回を許しており、防御率は34.8%。
ウスマンがミドル級でも組みの強さを発揮できるなら、デュ・プレシのテイクダウン防御は明確な攻略ポイントになる。
ただし、攻撃側の数字ではデュ・プレシも優秀だ。
テイクダウン成功率はデュ・プレシが51.2%で、ウスマンの44.1%を上回っている。
15分あたりの一本試行数も、デュ・プレシが0.71回、ウスマンが0.09回と大きな差がある。
デュ・プレシは倒される場面が多い一方、自らテイクダウンを奪う能力や、スクランブルから一本を狙う攻撃力も持っている。
テイクダウン防御率だけを見て、ウスマンが一方的にグラウンドを支配すると判断することはできない。
ウスマンが倒した後にポジションを固定できるのか。
それともデュ・プレシがスクランブルを作り、攻撃へ転じるのかまでが重要になる。
フィニッシュ率にも表れる両者の違い
UFCでの勝利内容にも、両者のスタイルの違いが出ている。
デュ・プレシはUFCで9勝を挙げ、4勝がKO・TKO、2勝が一本、3勝が判定。
9勝のうち6勝をフィニッシュしており、フィニッシュ率は66.7%となる。
ウスマンはUFCで16勝を挙げ、4勝がKO・TKO、1勝が一本、11勝が判定。
フィニッシュは5勝で、フィニッシュ率は31.3%だ。
平均試合時間も、デュ・プレシが14分53秒、ウスマンが17分50秒。
デュ・プレシの方が約3分短い。
デュ・プレシは試合を激しく動かし、フィニッシュが生まれる状況を作ってきた。
一方のウスマンは、長い試合の中で相手の攻撃を抑え、ラウンドを積み重ねて勝利する割合が高い。
デュ・プレシの攻撃量か、ウスマンの試合管理か
スタッツから見えるデュ・プレシの最大の武器は、1分あたり5.18発の有効打と、UFCで66.7%を記録するフィニッシュ率だ。
ウスマンの強みは、1分あたりの被有効打を2.67発に抑える打撃防御と、89.8%のテイクダウン防御率。
さらに、有効打の42.7%をクリンチまたはグラウンドで当てており、組みの展開から攻撃を作る能力でも実績を残している。
デュ・プレシがスタンドの距離を維持し、ウスマンの被弾数を普段以上に増やせるか。
ウスマンがデュ・プレシの攻撃量を抑え、クリンチとテイクダウンを使って試合の速度を管理できるか。
数字上の勝負は、攻撃量ではデュ・プレシ、効率と防御ではウスマン。
どちらが自分に有利な数字へ試合を近づけられるかが、元王者同士の一戦を左右する。



