朝倉海、UFC初勝利の次に来るもの 「2勝目の相手」を3つのシナリオで予想する

5月30日のUFCファイトナイト・マカオで、朝倉海がキャメロン・スモザーマンを1R1分50秒でKOし、待望のUFC初勝利を挙げた。
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトのボーナス付きという最高の形だ。
そして本人はすでに次戦へ向けたトレーニング再開を公表している。
問題は「次に誰と戦うか」。
本稿では朝倉のUFCでの現在地を整理し、次戦のシナリオを3つに分けて予想する。
遠回りの末にたどり着いた「本来の階級」
朝倉のUFCキャリアは茨の道だった。
2024年12月のUFC 310では、デビュー戦にしてフライ級王者アレシャンドレ・パントージャへの挑戦という異例の抜擢を受けたが、リアネイキドチョークで一本負け。
2025年8月のUFC 319ではティム・エリオットにマウントギロチンで再び一本を奪われ、まさかの2連敗を喫した。
転機は階級変更だ。
減量の厳しいフライ級を離れ、RIZIN時代に最も輝いたバンタム級へ回帰した初戦で、右フックでダウンを奪い左フックで仕留める「らしい」フィニッシュを披露。
あの一撃は、RIZINで見せていた瞬発力がUFCでも通用することの証明だった。
思い出すべきは、朝倉がバンタム級で築いた実績の中身だ。
2019年には全盛期の堀口恭司をパンチ一撃で沈め、世界に名前を知らしめた。
あのKOがフロックでなかったことを、スモザーマン戦の左は改めて示している。
瞬間的な破壊力に限れば、UFCバンタム級の中でも上位に入る武器であることは間違いない。
シナリオ① 手堅く2連勝 ランキング圏外の実力者と
最も現実的なのはこの路線だ。
UFCのバンタム級は世界屈指の激戦区で、1勝でランカー戦に進めるほど甘くない。
ランキング圏外〜下位の選手ともう1勝を積み、評価を固めてからトップ15に挑む。
マッチメイカー目線でも、KO勝ちの直後で商品価値が上がっている朝倉を急いで潰す理由はない。
地味に見えて、長期的には最も王座に近いルートでもある。
シナリオ② 一気にランカー戦 「飛び級」の前例は自分自身
ただし朝倉には、デビュー戦でいきなりタイトルマッチを組まれた実績がある。
UFCが朝倉を「日本市場の顔」として育てたい思惑は明白で、パフォーマンスオブザナイトのKOを見せた今、ランキング下位の選手との抜擢カードが組まれても驚けない。
バンタム級はソン・ヤドンが元王者フィゲイレードを下して再浮上するなど上位が流動的で、話題性のある一戦をねじ込む余地はある。
リスクは高いが、リターンも大きい。
シナリオ③ 「UFC日本大会」の目玉として温存
見逃せないのが興行側の事情だ。
デイナ・ホワイト代表は堀口恭司 vs ケイプ戦の決定に際し「日本に戻って大会をしたいと強く思っている」と公言している。
もしUFC日本大会が年内〜来年に実現するなら、朝倉海はその目玉として最優先で起用される選手だ。
その場合、次戦は日本大会のタイミングに合わせて逆算され、間隔がやや空く可能性もある。
堀口、平良達郎と並ぶ「日本人トリオ」がひとつの大会に揃う絵は、UFCにとって最高の商品になる。
ファンが今できる楽しみ方
次戦の正式発表までの間も、見るべきものはある。
6月15日のUFC Freedom 250ではショーン・オマリーが、直近のマカオ大会ではソン・ヤドンが、それぞれバンタム級の上位戦線で動いている。
彼らの勝敗次第でランキングの椅子が入れ替わり、朝倉が将来ぶつかる相手の顔ぶれも変わっていく。
今のうちに階級全体の勢力図を頭に入れておけば、対戦カード発表の瞬間が何倍も面白くなるはずだ。
まとめ 初勝利は「スタートライン」でしかない
2連敗からの階級変更と初勝利。
ここまでは敗者復活戦だ。
本当の勝負は、激戦区バンタム級で「日本のスター」から「世界のコンテンダー」に変われるかどうかの次の1〜2戦にある。
対戦相手の発表があり次第、改めて詳報したい。
