PANCRASEフェザー級の次の中心は誰か ラジャボフと木下尚祐が暫定王座を懸けて激突

2026年6月28日、東京・ニューピアホールで「PANCRASE 363」が開催される。
今大会のメインイベントは、オタベク・ラジャボフと木下尚祐によるフェザー級暫定王座決定戦だ。
正規王者・栁川唯人の「ROAD TO UFC」参戦を受けて、PANCRASEフェザー級では暫定王座戦が組まれることになった。
出場するのは、ランキング1位のラジャボフと2位の木下。
つまり今回のメインイベントは、単なる上位ランカー対決ではない。
PANCRASEフェザー級の次の中心を決める一戦になる。
なお、栁川はROAD TO UFC初戦で敗れており、ここで暫定王者が決まれば、今後は王座統一戦へ進む可能性もある。
また、コメインイベントにはライト級次期挑戦者決定戦として粕谷優介 vs 神谷大智も組まれており、大会全体で2階級の流れが動く一夜になる。
PANCRASE参戦後すべてフィニッシュのラジャボフ
ラジャボフは、PANCRASE参戦後に強烈なインパクトを残してきた選手だ。
バンタム級で高城光弘を破り、その後はフェザー級で遠藤来生、Ryoに勝利。
PANCRASEでの勝利はいずれもフィニッシュで、無敗のまま暫定王座戦までたどり着いた。
最大の魅力は、試合を終わらせる力にある。
打撃で前に出る圧力があり、相手が下がれば一気に仕留めにいく。
さらに本人は試合前インタビューで、基本はスタンドの打撃で倒したいと語る一方、KOでもサブミッションでも戦えると自信を見せている。
ただ荒々しいだけの選手ではない。
アマチュアMMAで経験を積み、IMMAF主催の世界大会で2度優勝してからプロに入ってきた選手であり、短い戦績以上に土台がある。
ここでベルトを獲れば、PANCRASE内での王座統一戦だけでなく、その先の海外挑戦も見えてくる。
ラジャボフにとって、この試合はPANCRASEのベルトを獲るだけの試合ではない。
自分の存在をPANCRASEフェザー級の中心に押し上げるための試合でもある。
木下尚祐は「競り合い」だけではない強さを見せられるか
対する木下尚祐は、PANCRASEで4連勝中の実力者だ。
小森真誉、遠藤来生、敢流、シン・ジェヨンを相手に勝利を重ね、ランキング2位まで上がってきた。
ラジャボフのような派手なフィニッシュ型とは違い、木下の強みは、スクランブルの強さに加え、打撃と寝技をつなげる総合力にある。
相手の攻撃を受けながらも、自分の形へ戻していく粘りがある。
ただし、木下自身は「競りたくて競っているわけではない」「自分にも“殺し”があると見せる」と語っており、競り合い型という評価を覆す狙いがある。
今回の相手は、序盤から強い圧をかけてくるラジャボフだ。
木下にとって重要なのは、最初の勢いに飲まれないことになる。
ラジャボフの強打を受けて下がるだけになれば、一気に試合を持っていかれる危険がある。
しかし、1ラウンドを越えて競り合いに持ち込めば、試合の見え方は変わる。
5分5ラウンドのタイトル戦では、爆発力だけでなく、ペース配分、修正力、消耗戦への対応も問われる。
木下が自分の形に持ち込めるかどうかが、この試合の大きなポイントになる。
勝敗以上に問われるフェザー級の方向性
この試合で決まるのは暫定王者だ。
ただし、意味はそれだけではない。
栁川唯人の「ROAD TO UFC」参戦をきっかけに、PANCRASEフェザー級は一度、中心を整理するタイミングに入った。
王者が海外挑戦へ進む中で、PANCRASEのフェザー級を誰が引き継ぐのか。
その答えを示すのが、ラジャボフ vs 木下尚祐だ。
ラジャボフが勝てば、フィニッシュ力を武器に一気に階級の顔へ近づく。
木下が勝てば、激闘を制する総合力でPANCRASEフェザー級の中心に立つことになる。
どちらが勝っても、PANCRASEフェザー級の流れは動く。
注目ポイントは序盤の圧力と中盤以降の修正力
この試合を見るうえで、まず注目したいのは立ち上がりだ。
ラジャボフは早い段階で自分の圧力を見せたい。
打撃で前に出て、木下を下がらせ、組みやスクランブルの前に主導権を握りたいはずだ。
一方の木下は、序盤を耐えるだけではなく、どこかで自分から展開を作る必要がある。
打撃で打ち返すのか、組みで流れを切るのか、スクランブルで消耗戦へ持ち込むのか。
ラジャボフの勢いを受け止めた後に、どのように試合を返すかが鍵になる。
5分5ラウンドのタイトル戦は、短期決戦にも長期戦にもなり得る。
ラジャボフが序盤で一気に仕留めるのか。
木下が競り合いに持ち込み、後半で勝負を引き寄せるのか。
PANCRASE 363のメインイベントは、フェザー級の今後を占う一戦になる。
