時田隆成がフライ級新王者に 宮城成歩滝は再戦制し暫定王座、濱田巧と三宅輝砂も復活を示す勝利

2026年5月31日、東京・立川ステージガーデンで「PANCRASE 362」が開催された。
今大会の中心となったのは、メインイベントのフライ級キング・オブ・パンクラス王座決定戦、そしてコーメインのバンタム級暫定王者決定戦。
さらに、元王者・濱田巧の再出発戦、元フェザー級王者・三宅輝砂の復帰戦も組まれ、単なる勝敗にとどまらず、フライ級、バンタム級、フェザー級の今後に影響を与える大会となった。
時田隆成 VS 岸田宙大
メインイベントでは、時田隆成が岸田宙大に判定2-1で勝利し、フライ級の新王者となった。
試合は5ラウンドを通じて、時田の打撃と組み際の対応力、岸田のギロチンや三角絞め、バックからの極めの圧力がぶつかる接戦となった。
時田は序盤からジャブ、ワンツー、パンチを散らしながら距離を作った。
岸田にバックを許す場面もあったが、深い支配や極めにはつなげさせなかった。
岸田もギロチンや三角絞めを狙う場面を作り、最後まで一発逆転の可能性を残したが、時田が要所でテイクダウン、トップキープ、打撃の有効打を重ねて王座をつかみ取った。
岸田は柔術黒帯の極めを武器に、短時間で勝負を決める危険な選手。
そんな相手に対し、時田は不用意に深追いせず、組まれても落ち着いて離れ、終盤には自らテイクダウンを奪って試合をまとめた。
新鋭王者の誕生でありながら、内容には冷静さと勝負強さがあった。
フライ級は濱田巧の王座剥奪により空位となっていたが、時田がそのベルトを巻いたことで、新しい軸が生まれた。
宮城成歩滝 VS 山口怜臣
コーメインでは、宮城成歩滝が山口怜臣を判定3-0で下し、バンタム級暫定王者となった。
この試合は、2024年7月に山口が判定勝利していたカードの再戦でもあった。
山口は序盤からシングルレッグ、ボディロック、バックコントロールを使って組みの展開を作り、宮城を何度も寝かせた。
宮城は組みで苦しむ場面も多かったが、立ち上がり際や距離が空いた瞬間に右、ボディ、ヒザを当てていった。
山口の右目が大きく腫れるなど徐々にダメージが蓄積されていった。
宮城は7勝中6KOという破壊力を持つストライカーとして注目されてきた選手だが、今回は山口のしつこい組みを受けながらも、5ラウンドを通じて勝ち切った。
つまり、打撃の強さだけでなく、組まれても折れない粘り、立ち上がる力、そして長丁場で勝負を逃さない判断力を示した試合だった。
正規王者・田嶋椋がROAD TO UFCに参戦している状況の中で、宮城は暫定王者としてバンタム級の中心候補に名乗りを上げた。
濱田巧 VS ジョセフ・カマチョ
第12試合のフライ級では、濱田巧がジョセフ・カマチョに2R1分05秒、ギロチンチョークで一本勝ちを収めた。
1Rはカマチョが前に出て、組み、テイクダウン、バック狙いで先手を取る展開。
濱田は押し込まれながらもヒザやヒジで抵抗し、終盤にはギロチンを仕掛ける場面もあった。
2Rに入ると、濱田は組みの流れからヒザを入れ、そこからギロチンを合わせて引き込み、最後はマウント気味の形で絞め上げてタップを奪った。
濱田は王座剥奪という大きな出来事を経て迎えた再出発の試合で、相手は元フライ級ランカーのカマチョ。
しかも、キャリア初の一本勝ちで結果を出した。
元王者が再びフライ級戦線に存在感を示した勝利でもある。
新王者となった時田隆成との関係を考えても、濱田は今後のフライ級戦線から簡単には外せない存在になった。
三宅輝砂 VS 遠藤来生
第11試合のフェザー級では、三宅輝砂が遠藤来生に判定3-0で勝利した。
三宅は1Rからジャブ、右、前蹴りを的確に当て、遠藤のタックルにはダースチョークを合わせるなど、打撃と組みの両面で主導権を握った。
遠藤も最後まで前に出続け、3Rにはパンチを振って圧をかけたが、三宅は1Rに打ち下ろしの右でダウンを奪い、3Rにも右フックで再び遠藤を倒す場面を作った。
判定は30-27、30-27、30-26。
三宅も後半明らかに体力が落ちてきて動きが悪くなったが、要所で試合をコントロールした内容だった。
2024年12月に平田直樹を破ってフェザー級王座を獲得し、初防衛戦でも中田大貴をKOするなど勢いに乗っていたが、その後の敗戦をきっかけに一時は引退を表明し、王座も返上していた。
そこから戻ってきた試合で、タフな遠藤を相手に勝ち切ったことは、フェザー級戦線に再び三宅の名前を戻す結果となった。
本人としては納得しきれない内容だったとしても、復帰戦で勝利を得た事実は素直に嬉しいだろう。
PANCRASE 362は、時田隆成と宮城成歩滝という新たな王者が生まれた大会であり、濱田巧と三宅輝砂という元王者たちが再び前に進んだ大会でもあった。
フライ級では新王者・時田を中心に、濱田も再び存在感を示した。
バンタム級では宮城が暫定王者となり、正規王者との今後に注目が集まる。
フェザー級では三宅が復帰戦を勝利で終え、再び上位戦線に絡む可能性を残した。
王座が動き、元王者が戻り、階級の構図が変わる。
PANCRASE 362は、パンクラスの次の流れを作る大会になった。

