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ペレイラが後頭部への打撃に激怒 ハーブ・ディーンがガヌ戦の判定を説明

EasyFight運営
ペレイラが後頭部への打撃に激怒 ハーブ・ディーンがガヌ戦の判定を説明

2026年6月14日、米国ワシントンD.C.のホワイトハウス南庭で開催された「UFC Freedom 250」。

暫定UFCヘビー級王座決定戦では、シリル・ガヌがアレックス・ペレイラを第2ラウンド1分27秒、打撃によるTKOで破った。

ガヌは第2ラウンド、踏み込んできたペレイラへジャブを合わせてダウンを奪うと、グラウンドで肘やパンチを浴びせた。
ペレイラは一度立ち上がったものの、ケージ際で再び連打を受け、レフェリーのハーブ・ディーンが試合を止めた。

この勝利によってガヌは暫定ヘビー級王座を獲得し、ペレイラによるUFC史上初の3階級での王座獲得は実現しなかった。

しかし大会後、フィニッシュ直前の攻撃を巡って大きな議論が起きている。

ペレイラは、ガヌの複数の追撃が後頭部の禁止区域へ当たったと主張。
ディーンが反則を認定して試合を中断せず、ガヌへ警告もしなかったことに強い怒りを示した。

ペレイラの批判後、ディーンは自身の判定と競技規則上の禁止区域について説明する動画を公開した。

ペレイラは最初のジャブでダウンしたことは認める

ペレイラは試合後に公開した動画で、ダウンにつながったガヌのジャブでダウンしたこと自体は認めた。

問題視しているのは、その後の追撃だ。

ペレイラはダウン後にガヌの脚をつかみ、テイクダウンを狙いながら立ち上がろうとした。
その間に受けた複数のパンチと肘が、競技規則上の禁止区域へ当たっていたと訴えている。

ペレイラは、ジャブでダウンしたこと自体は認めた一方、その後に受けたパンチや肘は違法であり、それらがなければ回復できた可能性もあったとの考えを示した。

後頭部付近に複数の腫れが見られる写真を公開し、追撃によって生じたものだと主張した。

反則打撃がなかったとしても試合を立て直せたかは分からないとしながら、違法な攻撃によって回復する機会を奪われた可能性があると指摘している。

試合前にディーンへ注意を求めていた

ペレイラが特に問題視しているのは、試合前のルールミーティングでディーンへ懸念を伝えていたことだ。

ペレイラによれば、試合前日のルールミーティングで、コーチのプリニオ・クルーズに通訳を依頼し、アイポークやローブロー、後頭部への打撃などを懸念しているとディーンへ伝え、注意して確認するよう求めていたという。

ガヌは2025年のトム・アスピナル戦で偶発的なアイポークによりノーコンテストとなり、2020年のジュニオール・ドス・サントス戦では、フィニッシュの肘を巡って相手側から後頭部への攻撃だとの抗議を受けていた。

ペレイラは、事前に懸念を伝えていたにもかかわらず、目の前で追撃を見ていたディーンが反則を認定して攻防を中断しなかったことを批判した。

さらにレフェリーの仕事は選手の安全を守る重大な役割だとして、ディーンは処分を受けるべきだ、法的な責任を負うべきだったとまで主張。
UFC側に即時再戦を求め、回答を待っていることも明かした。

ディーンは「後頭部全体が禁止区域ではない」と説明

ディーンは「ルールと、自分がどのように試合を裁いたのかを説明する必要がある」として、自身の判定を擁護する動画を公開した。

ディーンの説明で重要なのは、MMAルールにおける「後頭部」が、頭の後ろ側すべてを意味するわけではないという点だ。

統一ルールでは、禁止される範囲は頭頂部から後頭部の中央を通り、左右約1インチずつの幅を持って後頭骨と首の境目まで続く細い区域と定められている。

首の付け根では禁止範囲が首の横幅全体へ広がり、その下は脊柱に沿った区域が保護される。

そのため、耳付近や頭部の側面への打撃は、規則上の中央の禁止区域や首の付け根を外れていれば合法と判断される場合がある。

一般的に想像される「頭の後ろ」と、競技規則上の禁止区域には違いがある。

多くの打撃を側頭部への攻撃と判断

ディーンは公開した映像で、ガヌの肘やパンチの多くは後頭部中央ではなく、頭部の側面へ当たっていたとの見方を示した。

また、両者が動きながら攻防していたことも判断材料になる。

攻撃を放った時点では合法な側面を狙っていても、受ける側が頭を動かしたり、タックルへ移行したりすることで、着弾位置が後頭部寄りへ変わることがある。

ただし、相手が動いた場合はすべて合法になるというルールではない。

レフェリーは、打撃が禁止区域へ着弾したかを確認したうえで、選手の動きや攻撃の軌道などから、故意の反則か偶発的な反則か、警告や減点、中断が必要かを判断する。

今回、ディーンは試合中に反則を認定して攻防を中断せず、その後の説明でも自身の判断を擁護した。

アスピナルも反則打撃を指摘

現UFCヘビー級王者のトム・アスピナルも、複数の肘やパンチについて「かなり多くの違法な攻撃があったように見える」と指摘した。
一方で、ガヌの試合内容自体は良かったと評価している。

アスピナルはガヌとの前戦が偶発的なアイポークでノーコンテストに終わっていることもあり、今回の攻撃にも厳しい視線を向けている。

一方で、ガヌが試合を優位に進め、ダウンを奪ったジャブが問題なしだったことは分けて考える必要がある。

後頭部への打撃に問題があったとしても、それだけでガヌの勝利内容すべてが否定されるわけではない。

反対に、ガヌが試合を優位に進めていたとしても、フィニッシュにつながる攻防で生じた反則疑惑を無視してよいことにもならない。

「ガヌが勝利へ近づいていたこと」と「一部の打撃が反則だった可能性」は、同時に成立し得る。

現時点で結果変更や再戦の発表はなし

現時点で公式結果は、ガヌの第2ラウンドTKO勝利のままだ。

ペレイラはUFC側と話し合い、即時再戦を求めたと説明しているが、再戦や結果の変更は発表されていない。

統一ルール上は、試合を止める権限はレフェリーにあり、明確な規則違反を理由とする正式な抗議が提出された場合、当該大会を監督する機関が映像などを再確認できる。

ただし、Freedom 250は連邦政府の敷地で開催され、通常のワシントンD.C.のコミッションの管轄ではなかった。
UFCはABCに第三者として規制運営への協力を求めており、通常の州アスレチックコミッションと同じ異議申立て制度がどう適用されるのかは、公表資料だけでは明確でない。

仮に映像を見直して一部に問題のある打撃が含まれていたとしても、それだけで結果が自動的にノーコンテストへ変更されるわけではない。

問われるレフェリーの警告とルールの分かりやすさ

今回の問題は、ペレイラが敗戦の理由を訴えているだけでは終わらない。

後頭部への打撃は重大な負傷につながる危険がある一方、実戦では攻防の中で着弾位置が変化し、レフェリーが一瞬で判断しなければならない。

禁止区域の定義も、一般の視聴者が「後頭部」という言葉から想像する範囲とは大きく異なる。

ディーンの説明によって、多くの攻撃がルール上は合法と判断された理由は見えてきた。

それでも、一部の打撃については映像上も着弾位置を巡る議論が続いていることや、試合中に明確な警告がなかったことから、批判が完全に収まったわけではない。

ガヌの勝利を尊重することと、危険な打撃が正しく管理されていたかを検証することは別の問題だ。

ペレイラの抗議をきっかけに、後頭部の禁止区域、動いている選手への打撃、レフェリーが試合を中断する基準について、改めて明確な説明と一貫した運用が求められている。

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