堀口恭司とマネル・ケイプが約8年半ぶりに再戦 UFC王座挑戦へ生き残るのはどちらか

2026年6月20日(日本時間21日)、米国ラスベガスのMeta APEXで開催される「UFC Fight Night: Kape vs Horiguchi」。
メインイベントでは、UFCフライ級2位のマネル・ケイプと、同級5位の堀口恭司が5ラウンドで対戦する。
両者が向かい合うのは、2017年12月31日のRIZINバンタム級トーナメント準決勝以来、約8年半ぶり。
当時は堀口が3ラウンド4分27秒、肩固めで一本勝ちを収めた。
しかし、今回の試合は単なる再戦ではない。
舞台はRIZINからUFCへ、階級は61kgのバンタム級から57kgのフライ級へ変わった。
ケイプはUFCフライ級の上位に定着し、堀口もUFC復帰後に2連勝。
勝者が王座挑戦へ大きく近づく、フライ級の今後を左右する一戦となる。
最初の対戦は堀口が肩固めで勝利
最初の対戦は、2017年大晦日に行われたRIZINバンタム級トーナメント準決勝だった。
当時のケイプはRIZIN参戦直後の若き新鋭。
爆発的な踏み込みと身体能力を武器に、堀口を相手にも臆することなく打ち合いを仕掛けた。
堀口はパンチで出血しながらも、試合の中で相手の動きを読み、最終ラウンドにテイクダウン。
グラウンドで上を取り、肩固めを完成させた。
ケイプは敗れたものの、後にRIZINバンタム級王者となり、朝倉海をTKOで破ってベルトを獲得した。
その後UFCへ移籍し、世界最高峰のフライ級戦線で経験を積んできた。
一方の堀口は、RIZINとBellatorのバンタム級王座を同時に保持し、フライ級転向後にはRIZIN初代フライ級王者となった。
8年半前は、実績と完成度で堀口が上回っていた。
今回は、世界のトップ戦線を生き抜いてきた2人が、互いの完成形に近い状態で再びぶつかる。
UFC復帰後2連勝の堀口
堀口は2025年11月、約9年ぶりにUFCへ復帰した。
復帰戦ではタギル・ウランベコフと対戦し、打撃、テイクダウン、グラウンドのすべてで主導権を握った。
第3ラウンドには相手を倒して背後へ回り、リアネイキッドチョークで一本勝ちを収めた。
続く2026年2月のアミル・アルバジ戦では、元タイトル挑戦候補を相手にユナニマス判定勝ち。
UFC復帰後の連勝を2に伸ばし、ランキング5位まで上昇した。
堀口の強みは、構えを細かく変えながら出入りを繰り返す独特のステップにある。
遠い距離から一気に踏み込み、右ストレートや左フックを当てる。
相手が打撃に意識を向ければ、素早いタックルやバックへの展開を混ぜられる。
近年はカーフキックやジャブの使い方も増え、以前よりも試合を組み立てる選択肢が広がった。
ケイプの爆発力を正面から受けず、空振りさせた直後に攻撃を返せるかが重要になる。
ケイプは3連勝中、ロイバルを1ラウンドKO
ケイプはUFC参戦当初、アレシャンドレ・パントージャとマテウス・ニコラウに判定で敗れ、2連敗からのスタートとなった。
しかし、その後はUFCの戦い方に適応。
直近8試合で7勝を挙げ、現在は3連勝中だ。
2025年12月には、元タイトル挑戦者ブランドン・ロイバルを第1ラウンド3分18秒でKO。
フライ級屈指の攻撃力を改めて示し、ランキング2位まで浮上した。
現在のケイプは、以前のように勢いだけで相手を追いかける選手ではない。
サウスポーから圧力をかけながら、相手が動いた瞬間に左ストレートや右フックを合わせる。
無理に攻め急がず、倒せる距離とタイミングが来るまで待つ冷静さも身につけた。
堀口にとって危険なのは、踏み込む瞬間をケイプに狙われることだ。
堀口は距離を詰める際に頭から入る場面があり、ケイプの左やカウンターの右が重なれば、一撃で試合が動く可能性がある。
勝負を分けるのは5ラウンドの駆け引き
今回の試合は5ラウンド制で行われる。
序盤の爆発力ではケイプが脅威になるが、長いラウンドを使った戦術の組み立てと修正力では、堀口にも大きな強みがある。
堀口が打撃だけで勝負せず、テイクダウンやクリンチを混ぜてケイプのリズムを崩せるか。
ケイプが堀口の出入りを止め、中央から後退させながら強打を当てられるか。
グラウンドになった場合も注目だ。
前回は堀口が一本を奪ったが、ケイプもUFCでテイクダウンディフェンスと立ち上がりを磨いている。
8年半前の結果だけを根拠に、堀口が寝技で圧倒すると考えるのは危険だろう。
それでも堀口にとって、過去に一本勝ちした経験は心理面と戦術面で小さくない。
ケイプにとっては、かつて自分を止めた相手をUFCのメインイベントで倒し、完全に過去を塗り替える機会となる。
勝者は王座戦線の最前列へ
フライ級2位と5位によるメインイベントだけに、勝者が次期挑戦者候補となる可能性は高い。
ケイプが勝てば、3連勝中の勢いに堀口撃破という実績が加わる。
タイトルマッチを要求する材料としては十分だ。
堀口が勝てば、復帰後3連勝となり、2位のケイプを破ることになる。
かつてUFC王座に挑みながら届かなかったベルトへ、再び手を伸ばせる位置まで進む。
約8年半前、堀口はケイプを破ってRIZINバンタム級トーナメントを制した。
今度の勝者が得るのは、過去の因縁に対する決着だけではない。
UFCフライ級王座へ進むための、極めて大きな一勝だ。
