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UFCホワイトハウス大会に中止を求める訴訟 開催直前に浮上した三つの法的問題

EasyFight運営
UFCホワイトハウス大会に中止を求める訴訟 開催直前に浮上した三つの法的問題

2026年6月14日(日本時間15日)、ホワイトハウスの南庭で開催される「UFC Freedom 250」。

アメリカ独立250周年を記念し、ホワイトハウスで初めて開催されるUFC大会として準備が進められてきたが、開催8日前にあたる6月6日に大会の差し止めを求める訴訟が起こされ、翌日には緊急の差し止めが申し立てられた。

原告側は、大会で南庭とリンカーン記念堂を使用することに加え、「The Claw」を含む構造物の設置を認めないよう求めている。
担当するアミット・メータ判事は、緊急の申し立てを審理するための日程を示すよう、双方の弁護士に求めた。

問題となっているのは格闘技の危険性ではない

今回の訴訟で争われているのは、MMAという競技の安全性ではない。

中心にあるのは、ホワイトハウス南庭やリンカーン記念堂といった公共性の高い場所を、民間企業の商業イベントに使用する手続きが適切だったのかという問題だ。

大会ではホワイトハウス南庭にオクタゴンが設置され、リンカーン記念堂では公開計量(セレモニアル・ウェイイン)とフェイスオフが行われる予定となっている。

南庭には「The Claw」と呼ばれる大型の鉄骨構造物も建設されている。
原告側はこれを高さ約28メートル、重量約600トンの演出・照明用構造物と説明し、連邦政府の公共用地への構造物設置には議会の明示的な承認が必要だとして、その設置は違法だと主張している。

独立250周年の特例は適用できるのか

もう一つの争点が、アメリカ独立250周年記念行事を対象に設けられた特例だ。

通常の規則では、ホワイトハウス周辺やリンカーン記念堂の指定区域で特別イベントを開催することが原則として制限されている。

一方、独立250周年を祝うために連邦政府の省庁またはSemiquincentennial Commission(記念委員会)が計画、組織、実施するイベントについては、規則上の許可制限の一部を適用しない特別ルールが設けられている。
ただし、これはあらゆる連邦法を無条件で免除する制度ではない。

原告側は、政府機関ではなくUFCや放送パートナーが大会の主要部分を計画、運営していると指摘。
そのため、独立250周年の記念行事に用意された特例を適用することはできないと訴えている。

米国ではParamount+で配信され、視聴には同サービスへの加入が必要となる。
原告側は、国家的な記念行事という形を取りながら、実態はUFCや放送パートナーが利益を得る民間イベントだと主張している。

これに対してホワイトハウス側は、訴訟を根拠のない妨害行為だと反論。
南庭で行われてきた他の主催行事や、エリプス、ナショナル・モールで許可されたイベントと異なるものではないとしている。

環境審査も争点に

原告側は、大会が環境政策法上の主要な連邦行為に該当するのであれば、施設の建設や観客席の設置を進める前に環境評価などを行う必要があったと主張している。
この点は訴状でも代替的な主張と位置づけられている。

ホワイトハウス南庭は、歴史的・政治的な意味を持つ連邦政府の敷地である。
原告側は、短期間の仮設設備であっても、南庭の芝生や景観などへの影響を確認する環境審査が行われていないと主張している。

もっとも、訴状に書かれている内容は、現段階では原告側の主張にすぎない。
裁判所が大会の許可を違法と判断したわけではなく、開催中止も決まっていない。

6月10日時点でUFCは大会を予定通り案内しており、メインイベントではイリア・トプリアジャスティン・ゲイジーが対戦する。
アレックス・ペレイラシリル・ガーヌも組まれ、準備は継続されている。

大会直前、裁判所はどう判断するのか

大会を開催させない緊急差し止めは、大会が終われば事実上意味を失う。
そのため、開催を止めるかどうかは開催前に判断する必要がある。
一方、訴状は一時的・予備的・恒久的な差し止めに加え、許可が違法だったことの確認も求めている。

裁判所が差し止めを検討する場合、開催前の限られた時間で判断を下さなければならない。

裁判所はまず原告適格などの前提を確認したうえで、本案で勝訴する可能性、回復不能な損害が生じる可能性、双方に生じる不利益の比較、そして差し止めが公共の利益に合致するかを検討することになる。

ホワイトハウスで初めて行われるUFC大会は、試合開始前から開催の可否を法廷で争うことになった。

予定通り開催されるのか。
それとも、公共用地の商業利用を認めた政府の判断が、法令上の権限を逸脱していたと判断されるのか。

大会直前に下される裁判所の判断とその理由が示されれば、今後、象徴的な連邦政府用地を商業イベントに使用する際の議論や許可判断の参考になる可能性がある。

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