ジョン・ジョーンズが初黒星のチマエフに助言 スタミナと下からの柔術を指摘「敗戦後に最高の自分が現れることもある」

元UFC二階級王者のジョン・ジョーンズ(Jon Jones)が、プロキャリア初黒星を喫したカムザット・チマエフ(Khamzat Chimaev)に再起へ向けた助言を送った。
チマエフは現地時間2026年5月9日に開催された「UFC 328」で、UFCミドル級王座の初防衛戦としてショーン・ストリックランド(Sean Strickland)と対戦した。
第1ラウンドでは持ち味の組みを生かして主導権を握ったものの、試合が進むにつれて運動量が低下。
5ラウンド終了後、47-48、48-47、48-47のスプリット判定で敗れた。
チマエフはプロ16戦目で初黒星を喫し、ミドル級王座から陥落している。
「自分がどのように負けるかを考える」
以前からチマエフを高く評価しているジョーンズは、ストリックランド戦の結果に驚いたと明かした。
そのうえで、自身が試合前に行ってきた準備方法を紹介。
相手の長所だけでなく、自分がどのような攻撃によって敗れる可能性があるのか、周囲からどこを弱点だと思われているのかを考えることが重要だと説明した。
「自分がチマエフなら、弱点に取り組む。
私は試合前に、この相手はどうすれば自分に勝てるのか、自分はどこが弱いと思われているのかを考えている」
チマエフについては、特に持久力を鍛える方法を見直す必要があると指摘。
これまでとは異なるトレーニングを取り入れ、5ラウンドを通して高い運動量を維持できる身体を作るべきだと助言した。
下になった状態からの柔術も課題に
ジョーンズはチマエフの打撃とレスリング能力を高く評価している。
パンチやキックに加え、相手の胴を抱えた状態からテイクダウンにつなげるボディロックは、ミドル級でもトップクラスの武器だとした。
一方で、チマエフが相手に倒され、下になった状態で戦う場面はほとんど見られていない。
ジョーンズは、今後はあえて下のポジションから練習する時間を増やし、サブミッションを狙える柔術を磨くべきだと提案した。
「原点に戻り、下になっても落ち着いて戦えるようにする。
下から強力な柔術を展開できるようになればいい」
得意なテイクダウンで常に上を取れるとは限らない。
疲労が蓄積した状態や、組みの強い相手と戦った際にも対応できるよう、苦手な状況を練習で経験しておくことが必要だと考えている。
初黒星後の精神面も重要
ジョーンズが技術やスタミナと同じくらい重要だとしたのが、敗戦後の精神状態だ。
無敗を続けてきた選手にとって、初めての敗北は自信や自己評価を大きく変える可能性がある。
ジョーンズは、敗北による自信の変化を乗り越えるため、精神面の立て直しに集中するよう助言した。
「負けることで、選手の自信や自分自身への見方が変わることもある。
だが、敗戦後にその選手の最高の姿が現れることもある」
ジョーンズ自身の公式戦での唯一の敗戦は、2009年のマット・ハミル(Matt Hamill)戦で受けた反則による失格負け。
判定や一本、KOで明確に敗れた経験はない。
それでも、長年にわたり王座戦を戦ってきた経験から、初黒星を喫したチマエフに精神面での助言を送った。
チマエフはストリックランドとの再戦を要求
ストリックランド戦後にはライトヘビー級への転向を検討していると報じられたチマエフだが、その後はミドル級に残り、王座奪還を目指す意向を示している。
チマエフはストリックランドとの即時再戦を要求しているものの、次戦はまだ正式発表されていない。
ミドル級ではナッソーディン・イマボフ(Nassourdine Imavov)やドリカス・デュ・プレシ(Dricus du Plessis)も王座戦線に名を連ねており、チマエフがすぐに再戦できるかは不透明だ。
圧倒的なレスリングで無敗を守ってきたチマエフにとって、ストリックランド戦は初めて明確な課題を突きつけられた試合となった。
スタミナ、下からの柔術、そして敗戦後のメンタル。
ジョーンズが挙げた課題を克服できれば、初黒星はチマエフをさらに完成度の高いファイターへ変える転機になるかもしれない。
