ベラル・ムハメドがベン・アスクレンに6-3で逆転勝利 両肺移植から復帰のアスクレンはレスリング引退【RAF11】

現地時間2026年7月18日、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのUWミルウォーキー・パンサー・アリーナで「RAF11」が開催された。
コメインイベントのクルーザー級では、ベン・アスクレン(Ben Askren)とベラル・ムハメド(Belal Muhammad)が対戦。
第2ピリオド終了時点で3点を追っていたムハメドが、第3ピリオドに3度のテイクダウンを成功させ、6-3で逆転勝利した。
クルーザー級
WINNER:ベラル・ムハメド ポイント(6-3)ベン・アスクレン

アスクレンが第1ピリオドを1-0で先取
試合開始直後、マット中央で主導権を握ったのはアスクレンだった。
アスクレンは組み合いで優位に立ち、ムハメドに先に攻撃を仕掛けさせる。
ムハメドにはショットクロックが適用され、遠い位置からタックルを狙ったものの、制限時間内に得点することはできなかった。
これによりアスクレンに1点が与えられ、試合当日に42歳の誕生日を迎えたアスクレンが第1ピリオドを1-0で終えた。
場外への押し出しで3-0
第2ピリオドに入ると、ムハメドは攻撃の回数を増やした。
しかし、脚を狙ったタックルはアスクレンが正面で受け止める。
アスクレンはムハメドの腰付近に入り、場外へ押し出して1点を追加した。
さらにマット際の攻防では、ウィザーを使いながらムハメドを場外へ出して得点。
アスクレンが3-0までリードを広げ、ムハメドを無得点に抑えたまま第3ピリオドを迎えた。
ムハメドが第3ピリオドに3度のテイクダウン
3点を追うムハメドは、第3ピリオドから一気に攻勢を強めた。
アスクレンのタックルを切った後、ムハメドがダブルレッグを成功させて2点を獲得。
スコアを3-2とし、1点差まで迫った。
アスクレンは得意としてきた変則的なスクランブルへ持ち込もうとしたが、ムハメドが背後へ回って再び2点を追加。
4-3と試合をひっくり返した。
残り10秒を切ったところで、アスクレンがシングルレッグを仕掛ける。
しかし、ムハメドがスプロールで防ぎ、再び背後へ回って2点を奪った。
アスクレン陣営は最後の得点に対してチャレンジを要求したが、判定は変わらず。
ムハメドが第3ピリオドだけで6点を奪い、最終スコア6-3で逆転勝利を収めた。
両肺移植を乗り越えてマットへ復帰
アスクレンは2025年、重度の肺炎によって生命の危機に陥り、両肺移植を受けた。
約40日間にわたって昏睡状態となり、回復過程では大幅に体重を落としたという。
それでもアスクレンはリハビリとトレーニングを続け、両肺移植から1年余りでレスリングのマットへ戻った。
第3ピリオドには疲労が見えたものの、それまでは元UFCウェルター級王者のムハメドを無得点に抑え、3-0とリード。
NCAAディビジョン1を2度制し、2008年北京五輪にも出場したレスラーとしての技術を見せた。
シューズをマットに置いてレスリング引退
試合後、ムハメドは観客にアスクレンへのスタンディングオベーションを呼びかけた。
会場では、試合当日に42歳となったアスクレンを祝うバースデーソングも響いた。
アスクレンは第3ピリオドについて、脚が身体を支えられなくなったという趣旨の説明をした。
その後、レスリングシューズを脱いでマット中央に置き、今回が最後のレスリングマッチであることを表明した。

勝利には届かなかったものの、両肺移植から1年余りで競技復帰を果たし、3ピリオドを戦い抜いたアスクレン。
最後はミルウォーキーの観客から大きな拍手を受け、レスリング選手としてのキャリアに幕を下ろした。



