コーリー・サンドヘイゲンは再びタイトル戦線へ戻れるか UFC 329でマリオ・バティスタと再戦

UFC 329は、コナー・マクレガー vs マックス・ホロウェイ2に大きな注目が集まる大会だ。
しかし、メインカードの中で見逃せないのが、バンタム級のコーリー・サンドヘイゲン(Cory Sandhagen) vs マリオ・バティスタ(Mario Bautista)だ。
現在のバンタム級上位の状況を考えると、この試合は次のタイトル戦線を左右する重要なカードになる。
サンドヘイゲンにとっては、もう一度王座挑戦へ向かい、タイトル戦線に残るための再出発。
バティスタにとっては、トップ5の立場を確かなものにし、タイトル戦線に本格的に踏み込むための大きなチャンスだ。
約7年半ぶりの再戦
この2人は、過去に一度対戦している。
初戦は2019年1月、UFC Fight Night: Cejudo vs. Dillashawで行われた。
この時はサンドヘイゲンが1ラウンド3分31秒、腕十字で一本勝ちを収めている。
当時のバティスタはUFCデビュー戦だった。
無敗の若手としてオクタゴンに上がったが、結果はサンドヘイゲンの完勝。
サンドヘイゲンにとってはキャリアを前に進める一勝となり、バティスタにとってはUFCの厳しさを知る敗戦となった。
そこから約7年半。
両者の立場は大きく変わった。
サンドヘイゲンは、バンタム級の上位で長く戦ってきた実力者になった。
ピョートル・ヤン、TJ・ディラショー、マルロン・ヴェラ、ロブ・フォント、ウマル・ヌルマゴメドフ、メラブ・ドバリシビリら、階級の中心にいる選手たちと何度も拳を交えてきた。
一方のバティスタも、ただの若手ではなくなった。
UFCで勝利を積み重ね、ジョゼ・アルド、パッチー・ミックス、ヴィニシウス・オリベイラらを相手に結果を出し、バンタム級上位まで上がってきた。
初戦の結果だけで今回を判断するのは危険だ。
今回の試合は、2019年の続きではない。
あの時とは違う選手同士による、現在のバンタム級上位戦だ。
基本データ
項目 | コーリー・サンドヘイゲン | マリオ・バティスタ |
|---|---|---|
戦績 | 18勝6敗 | 17勝3敗 |
階級 | バンタム級 | バンタム級 |
身長 | 5フィート11インチ/約180cm | 5フィート9インチ/約175cm |
リーチ | 70インチ/約178cm | 69インチ/約175cm |
構え | スイッチ | スイッチ |
年齢 | 34歳 | 33歳 |
数字を見ると、体格ではサンドヘイゲンがわずかに上回る。
身長で約5cm、リーチで約3cmの差がある。
バンタム級ではこの差は小さくない。
サンドヘイゲンは長い距離での打撃、角度を変えた攻撃、ヒザ蹴りや蹴り技を使って相手を崩すことができる選手だ。
一方で、バティスタも距離を詰める力があり、組み、バックコントロール、サブミッションを含めて試合を作ることができる。
スタンドだけでなく、組み際やスクランブルで勝負を動かせる点が強みになる。
サンドヘイゲンに必要なのは“勝ち方”
サンドヘイゲンは、すでにトップ戦線で実力を証明してきた選手だ。
ただし、問題は「強いかどうか」ではない。
サンドヘイゲンが今問われているのは、王座にもう一度届くための説得力を作れるかどうかだ。
彼はこれまで、暫定王座戦やタイトル戦線に近い試合を経験してきた。
技術的な完成度は高く、打撃もある。
だが、バンタム級の頂点にいる選手たちを相手にした時、あと一歩届かない試合もあった。
だからこそ、今回のバティスタ戦は重要になる。
問われるのは、上位ランカーとしての差を見せる勝利だ。
それができれば、サンドヘイゲンは再びタイトル戦線に残ることができる。
バティスタにとってはキャリア最大級のチャンス
バティスタにとって、この試合はかなり大きい。
すでにランキング上位まで来ているとはいえ、バンタム級のトップ戦線で「本当にタイトルを狙える選手なのか」を証明するには、サンドヘイゲン級の相手に勝つ必要がある。
バティスタは17勝のうち、3勝がKO/TKO、7勝が一本、7勝が判定勝ち。
フィニッシュも判定もあり、MMAとしての幅は広い。
特に注目したいのは、一本勝ちの多さだ。
打撃だけでなく、グラウンドで相手を仕留める力を持っている。
初戦ではサンドヘイゲンに腕十字を許したが、現在のバティスタは、当時とは比較にならないほどUFCで経験を積んできた。
今回は、バティスタにとってリベンジの意味もある。
UFCデビュー戦で敗れた相手に、トップ5付近の立場で再び挑む。
ここで勝てば、過去の敗戦を清算するだけではない。
バンタム級の上位構図そのものを動かす勝利になる。
鍵は距離と組み際
この試合のポイントは、サンドヘイゲンが距離を長く保てるか、バティスタが近い距離で試合を作れるかだ。
サンドヘイゲンは、離れた距離での打撃がうまい。
ステップ、角度、蹴り、ヒザ、長いパンチを組み合わせながら、相手に的を絞らせない。
バティスタが真っ直ぐ入ろうとすれば、そこにカウンターやヒザを合わせられる可能性がある。
一方で、バティスタは距離を詰めてからが勝負になる。
組みつき、ケージ際で削り、スクランブルで上を取る。
打撃戦だけでサンドヘイゲンに付き合うよりも、近い距離で泥臭く展開を作る方が勝機は広がるはずだ。
初戦ではサンドヘイゲンがサブミッションで勝っているが、今回も寝技だけで語れる試合ではない。
むしろ、組みの入り際、ケージ際、離れ際の打撃が勝敗を分ける可能性が高い。
バンタム級の次を占う一戦
現在のUFCバンタム級は、非常に層が厚い。
王座戦線にはメラブ・ドバリシビリ、ウマル・ヌルマゴメドフ、ショーン・オマリー、ピョートル・ヤンらが絡み、少しの勝敗で立場が大きく変わる階級になっている。
その中で、サンドヘイゲン vs バティスタは「次のタイトル戦線に残るのは誰か」を見る試合になる。
サンドヘイゲンが勝てば、まだ自分がタイトル戦線の選手であることを示せる。
バティスタが勝てば、トップ5の立場を証明し、タイトル戦線に本格的に加わる勝利になる。
UFC 329でマクレガーの復帰に注目するのは当然だ。
しかし、その裏で行われるこのバンタム級上位戦も、見逃してはいけない一戦になる。


