RIZIN広島のメインはサバテロ防衛戦へ 井上直樹がPFL「査定試合」を突破、大晦日の雪辱なるか

7月18日(土)、広島グリーンアリーナで開催されるRIZIN LANDMARK 15 in HIROSHIMA。
そのメインに予定されているのが、バンタム級王者ダニー・サバテロの防衛戦だ。
挑戦者の第一候補は前王者・井上直樹。
両者は昨年大晦日に王座を懸けて争っており、実現すれば約7カ月での再戦となる。
本稿ではこの一戦に至る経緯と、再戦の見どころを整理する。
「PFLで勝てば挑戦」 異例の条件付き王座戦線
経緯が面白い。
井上は2025年大晦日、サバテロにスプリット判定で敗れてRIZINバンタム級王座を失った。
再起戦に選んだのは国内ではなく、5月23日(日本時間24日)のPFLブリュッセル大会。
相手は2025年PFLバンタム級トーナメント覇者のマルシレイ・アウベスという強敵だった。
榊原信行CEOはこの一戦を事実上の「査定試合」と位置づけ、井上が勝てばサバテロへの挑戦権を与えると公言。
つまりRIZINは、他団体のリングでの実戦を王座挑戦の資格審査に使うという、異例のマッチメイクを行ったことになる。
そして井上は応えた。
2Rにダウンを奪われながら、3Rに左フックでダウンを奪い返すシーソーゲームをスプリット判定で制し、PFL覇者から白星をもぎ取った。
条件はクリア。
あとは正式発表を待つ段階だ。
両者の背景 UFC帰りの技巧派とベラトール仕込みのレスラー
井上はUFC参戦経験を持つ国際派で、帰国後にRIZINバンタム級の頂点へ上り詰めた技巧派だ。
打撃と柔術を高い次元で融合させたオールラウンダーで、キャリアを通じて崩れた試合が少ない。
一方のサバテロは米国ベラトールで名を上げたレスラーで、削り切るグラインドと挑発的なキャラクターを武器にRIZINの王座まで到達した。
出自も戦い方も対照的な二人だからこそ、初戦は見応えのある消耗戦になった。
大晦日の初戦が残した「宿題」
初戦はスプリット判定までもつれた接戦だった。
サバテロの生命線は、執拗なテイクダウンとトップキープでラウンドを刻むレスリング。
井上は精度の高い打撃と柔術ベースの技術で対抗したが、組みの展開で主導権を握られる時間が長く、僅差で軍配は王者側に上がった。
再戦のテーマは明確だ。
井上がサバテロのレスリングをどこまで無効化できるか。
アウベス戦では被弾しながらも打撃で試合を動かす勝負強さを見せており、倒し切る力があることは証明済み。
一方のサバテロは、昨年下した太田忍に対して「またその頭でドリブルしてやる」と挑発するなど、トラッシュトークも健在で、心理戦込みの試合作りは王者の十八番だ。
広島大会は「シェイドゥラエフ包囲網」の裏で進む再編
LANDMARK 15には、太田忍 vs ティレノフ(シェイドゥラエフの同門)、ジョニー・ケース vs 天弥、篠塚辰樹 vs イ・ジェフン、萩原京平 vs ダウトベックなど、各階級の生存競争を映すカードが並ぶ。
フェザー級がシェイドゥラエフの去就に揺れる今、バンタム級の王座戦線を安定させることはRIZINにとって死活的に重要だ。
サバテロ vs 井上の再戦は、その意味で広島大会の単なるメイン以上の意味を持つ。
注目すべき「再戦の法則」
MMAでは、接戦の再戦は「前回の敗者が修正に成功するか」で決まることが多い。
初戦がスプリットなら、なおさらだ。
井上にはPFLでの一戦という他流試合の経験値が上積みされた。
サバテロには王者としての成功体験と、相手を研究する時間がある。
修正力のぶつかり合いという意味で、初戦より噛み合う試合になる可能性は高い。
正式発表され次第、両者の初戦を映像ベースで振り返る詳細プレビューをお届けしたい。
広島のメインイベントは、RIZINバンタム級の今後数年を決める一戦になる。

